前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ

【社長の魔法でシンデレラになる】

10時前に部屋のドアを開けると、社長が待っていた。
「おはようございます」
「おはよう。さぁ、行こう」

地下の駐車場に向かい、車に乗ると、
「今日は会長の代わりに、パーティーに出席するんだ」
社長の言葉に、思わずシートベルトを締める手が止まった。
「私、いつものスーツですが」
「いいよ。準備してるから」
「準備？」
「行けば分かる」

車が走り出し、着いた先は、有名な会員制の美容院。
「全て任せてるから。俺はそこの部屋で待ってるよ」
社長は、女性スタッフと話をした後、部屋に入っていった。
「星部様、どうぞこちらへ」
それからは、何人もの人に言われるままに移動した。

頭の先から足の先まで身を任せ、レース仕様のネイビーブルーのワンピースに着替え、全身写る鏡の前に立たされた。

「これが…私？」
「素が綺麗ですから」
鏡の前には、緩くウェーブがかかった髪に、薄い化粧だけど目元がはっきりしてて、魔法に掛けられたシンデレラみたいな気分だった。
「では、これで終了となります。では、宇河様の部屋までご案内します」

女性スタッフについて行き、
「宇河様、失礼します」
案内されて部屋に入ると、社長が目を丸くして、立ち上がった。

「予想以上だな」
上から下まで目線を動かし、見つめられて、凄く恥ずかしい。
「どうだ？俺が昨日言った通りだろ？」
「ありがとうございます。こんなに綺麗にしていただいて」
「どうしようか…」
「えっ？」
「誰にも見せたくない」
「あの…社長」
「まぁ、そういうわけにもいかないか…さぁ、行こう」