前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ
「すまない。ビックリさせたね。まだまだ、凝り固まった考えの人もいるけど、気にしないで」
「上手く対応出来なくて、社長に恥ずかしい思いをさせて、すみません」
「これから何度もあるから、慣れたらいいさ。食事をして帰ろうか」
「この後、食事会が…会長もお見えになりますし」
「直ぐに帰ることは伝えている。気にしなくていいよ。今日は、星部さんの魅力を、知ってもらうためだけだ」

その後、車に乗って着いた先は、高級ホテルの最上階のレストランだった。
広いお店は、一面ガラス張りで、外が見渡せる。
「宇河様。お待ちしておりました。ご案内致します」
入り口に入らず、お店の人は、奥の方へ歩くと、
「食事は順にお持ち致します。どうぞ、素敵なひとときを」
部屋のドアを開けると、小さな部屋は、窓際にテーブルがあり、外を見ながら食事が出来るようになっている。

そこから見える景色に絶句した。
「夜景もいいが、哀愁すら感じる夕暮れは一段と綺麗だ」
夕陽はオレンジ色の濃淡で、グラデーションを美しく彩り、西の空を染める。
「いつも時間に終われてる時間ですから。こんなに夕焼けが綺麗だなんて…」
「俺も初めて見たよ」
2人見つめ合う時間に、恥ずかしくて、顔が火照っているのが分かる。
夕焼けできっと、分からないよね…

「私、シンデレラの気持ちが分かります。こんな素敵な時間を過ごせるなんて、夢みたいです」
「昨日言っただろ?星部さんの魅力を教えるって」
「み、魅力なんて無いですが…いつもと違う自分になれました」
「俺が言った通り、証明出来ただろ?」
「それは…社長のお陰です」
「自分に自信を持っていいんだよ。優秀な秘書だから」
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