前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ
嬉しくて胸が熱くなり、感情が高ぶる。
私、人としてだけじゃなく…
男性として、社長のことが大好きになっている。
絶対ダメなのは分かってるけど…
昨日の夜は、からかってただけって分かってるけど…
感情はコントロール出来ないよ…

「日が暮れる空を見ながら、食事をしよう」
フレンチのフルコースが運ばれ、食事の間、今日の体験を話すと、社長はずっと笑顔で聞いてくれた。

私、この時間だけでも幸せ。
秘書でいる間は、傍にいることを許される。
きっといつか、社長には素敵な彼女、ううん、奥さんが出来る。
由緒ある家系や大企業の令嬢で、社長の横に立っても釣り合う人が…
分かっていても、胸がギュッと苦しくなる。

食事が終わる頃には、すっかり暗くなり、目の前には、一面、光輝く夜景が広がった。
「今日はありがとうございました。シンデレラの時間は終わりますが、とても楽しかったです」
「終わらないよ。これからは昨日の続きだ。こんな綺麗な君を目の前にして、またお預けか?」

社長は、私の手を取り、テーブルの上に置くと、指先だけ自分の指と組み合わせた。
「社長命令だったからと、言われたら困るからね。星部さんが、この手をどうしたいか選択したらいい」
「選択…ですか?」
「あぁ。まぁ、俺は星部さんの選択を、分かってるけどね」

社長は、イタズラににっこり笑い、私を見つめる。
「意地悪…言わないでください」
恥ずかしくて、社長の顔をまともに見ることが出来ず、俯いた。
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