前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ

「綾奈…」
名前を呼ばれて、ドキッとする胸のときめきがスイッチとなって、体が熱くなる。
「自分の気持ちに素直になれ」

素直な気持ち…
私は、本能のままに、社長と指を組むと、ギュッと握られた後、体を引き寄せ、抱きしめられた。

「綾奈…俺の恋人にならないか？社長としてではなく、1人の男として見て欲しい」
背中を抱きしめる、手が熱い。

私は…社長が大好き…
遊びかもしれない。
ひとときだけの時間かもしれない。
それでも、この温もりを感じたいって…
もっと、触れて欲しいって思ってしまう。
「はい…お願い…します」

体が離れて、揺れる瞳に見つめられ、唇が触れそうになるくらい、社長の顔が近づいた。
「凄く綺麗だ…綾奈の俺への気持ちが、俺を包み込む」
そっと唇に触れるファーストキスは、夢心地でフワフワする…

「今日はこれで我慢するよ。今からもう一度、会場に戻らないといけないんだ」
「私も一緒に…」
「慣れない場所で疲れただろ？遅くなるから、家まで送っていくよ」
社長、私に気遣って、外で食事してくれたんだ…

車がマンションの前に着いて、
「休日は会長と打ち合わせで、家に戻らないけど…」
少し怖い顔をして、私のシートベルトを外した。
「他の男を連れ込むなよ」
「そ、そんなことしません！」
社長は、体を乗り出し、私にキスをすると、頭をポンポンと撫でて、「おやすみ」と言って、私を見送り、車は走り出した。

社長の唇が触れた感覚を、指でなぞる。
はぁ…私、月曜日からどうなるんだろう…