前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ
【理性と本能の葛藤~北斗】
はぁ…
告白したのはいいが、純粋な綾奈を抱きたい欲情が、日々膨れ上がる。
キスをした時の痺れるような感覚。
純白に淡いピンクが交わり合い、俺に流れ込むように包み込む。

今まで、その場限りの関係で、欲求を満たしてきたが…
幸福感に満たされたのは、初めてだった。
ただ、唇が触れるだけのキスなのに、この俺が翻弄される。

会社ではあくまでも社長と秘書として、立場をわきまえることに徹する。
そう決めて出勤したが…

緩めの巻髪を纏め、先日教えてもらった、化粧を施した姿を見て、衝動が抑えられない。
「綾奈」
「しゃ、社長!会社でその呼び方は、んんっ…」
その先の言葉を遮るようにキスをした。
「おはようのキスだ」
ビックリした顔から、はにかむ笑顔が愛おしい。

「午前中は、会議ですね。書類は準備してますから。えっと…確かここに」
綾奈がファイリングした資料を探しに秘書室に入ると、背中を包み込むように抱きしめた。

「社長…」
「好きって言うまでは我慢出来たのに、恋人になれば、全く歯止めが利かない」
「…私の心臓がもちません」
「分かった。じゃあ、もう1度だけ」
片手で顎に手をかけ、キスをしようとした時、電話が鳴った。
「もう…会議が始まる時間ですよ」
「少しだけなら…」
「えっと…ダメです。秘書として時間管理しないと」
「お預けか?綾奈はどうしたい?」
「どうしたいって…だって、時間が…」
「俺はもう行かないと。あと5秒だけ綾奈に時間をあげるよ。5、4、3、2、い…」

最後のカウントを言う前に、綾奈の唇が触れた。
「良く出来ました…行ってくる」
恥ずかしそうに、顔を真っ赤にしている綾奈に軽くキスをして、部屋を出た。

ただ、唇が触れるだけのキスで、あんなに恥ずかしがって、純白は輝き、ピンクのオーラが混じり合う。
純情な綾奈を、俺の欲情で壊さないようにと抑えているが…
今日みたいに愛らしい姿を見ると、会社でも理性が飛んで、抱いてしまいそうだ。
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