前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ
人事部長は、俺の顔色が変わったのが分かって、慌てて、タクシーの方に向かった。
「では、私は電車なので、失礼します」
挨拶をした後、そのまま早足に、駅へ向かって歩き出した。

今までは、綾奈の控えめな性格が、本来の魅力を隠して来たんだろう。
それが社長秘書として、俺の恋人として、周りが感じ取れるくらい、内面と外面の美しさが合わさり、放つようになった。
清廉潔白の放つオーラは、あれだけ輝けば、見えなくても、男なら自然と惹かれる。
相手が誰だろうと、負ける気はしないが…

家に帰って、シャワーを浴びながら人事部長の話を思い出すと、気持ちのモヤモヤが、収まらない。
綾奈が、他の男と楽しそうに、笑顔で話をする…
社長としては、喜ぶべきことだが、彼氏としては、嫉妬以外の何物でもない。

バスタオルで頭を拭い、水を飲んで呼吸を整えるが、綾奈に会わずにはいられず、部屋のインターホンを鳴らした。

「社長、お帰りなさい!」
お風呂上がりの綾奈が無邪気に笑う。

ひと目だけ…そう思っていたのに…
「ただいま、綾奈」
綾奈を抱き寄せたまま玄関に入り、いつものキスをした。

「今日は、これだけじゃ足りない」
包み込むようなキスを繰返した後、綾奈を見ると、潤む目は、色気が増している。
この俺が…惑わされる。

「いきなりで悪かった…どうしても会いたくて…おやすみ」
軽くキスをして、離れようとすると、腕を掴まれた。
「…悪くないです。凄く…嬉しいです」
綾奈の澄んだ目に、吸い込まれそうになる。

気が付けば、綾奈の頬を両手で挟み、包み込むようなキスから、舌を絡ませて貪り、激しく求める俺に、必死に綾奈が応える。
無意識に、綾奈の服に手をかけた時、ふと我に返った。

これ以上は…
今の俺は、きっと獣のように荒々しく、彼女を貪ってしまう。
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