前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ
会長…北斗さんのお父さん。
入社した頃、1度、社長室で挨拶したけど、北斗さんと話し終わると、直ぐに海外に飛び立った。
「今度は、俺の恋人として紹介するよ」
私の不安な気持ちを察して、北斗さんが微笑む。
好きが膨らみ過ぎて、パンクしそう…

2人で入り口に向かおうとすると、
「あらっ、北斗さん?」
声がした方を見ると、女性でも胸元の谷間に目がいくような白のスーツ姿で、ウェーブの髪と艶やかな化粧が色っぽさを増し、すれ違う男性が、振り向くくらい絶世の美女が、佇んでいた。
北斗さんを見ると、眉間に皺を寄せて、怪訝そうな顔をしている。

「気安く名前で、呼ばないでください」
華やかな女性は、北斗さんと同じ年代くらいかな…
その人は、私を一瞬見ただけで、関係無い存在のように、無視して話し出した。

「あんなに燃えるような時間を過ごしたのに…久々にお相手どうかしら?」
「君のお父さんに頼まれたからだ。確かに、始めは良かったよ。でも、過激すぎだ」
「今思い出しても、体が熱くなるわ。だって…あんな快感、初めてだったから」
「貴女とは、1度限りと言ったでしょ?」
「貴方との刺激的なあの時間を味わってから、私、他の人では満足出来ないの。あの興奮が忘れられないの。お願い!もう1度、一緒に」
「もう、話は終わりです。貴女とは今後一切、話をする気はありません。行くよ、星部さん」

北斗さんが、その人の横を通り過ると、その女性は腕を掴んだ。
「もう1度だけでいいの!」
「しつこいですね。その手を放さないと、貴女だけの問題じゃ無くなりますよ」
その言葉を察したのか、その女性は手を離し、苦虫を噛み潰したような顔で、会場に向かって歩き出した。
「ごめんね、行こうか」
「は、はい…」
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