前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ
妹が俺と結婚すれば、色々な業界人や、経済界の人達と繋がるチャンスがある。
それに、企業の知名度も一気に上がるんだ。
次期社長としては、諦めたく無いだろうが…

それとは別で、気になることが忠君のオーラに現れている。
やっぱり…忠君なら触れなくても感じるだろう。綾奈のオーラを…

何か言いたそうな顔をしていたが、
「…今日は、これで失礼します」
険しい顔をした忠君はソファから立ち上がると、そのまま部屋を出て行った。

綾奈の性格だ。
破棄したとはいえ、もし、許婚の存在を知れば、きっと身を引くに違いない。
早く、俺の妻として、迎え入れる準備をするか…

ただその前に…
俺の力を告白しなければいけないが…
きっと、綾奈は理解してくれるだろう。
そうは思っていても、自分の気持ちが、四六時中、俺に知られることになる。
それに、耐えれるだろうか…

だが、誰かから耳にする前に、俺から言わなければいけないことだ。
もし、それで綾奈が辛い思いをするならば…
俺から離れたいと思うなら、受け入れよう。
それを責めることは出来ない。

俺は、綾奈以外の女性を、愛する事は出来ない…
その時は、今までと同じように1人で生きて行くだけだ。
< 56 / 112 >

この作品をシェア

pagetop