前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ
その日の午後からは、経済フォーラムの時に約束した近藤社長と会う約束になっていた。
綾奈と向かうと、近藤社長と、後継者で息子の正人(まさと)副社長が待っていた。

「北斗君、忙しいのに悪いね」
「いえ、近藤社長には、お世話になってますから」
「お久しぶりです。北斗社長」
「正人君か…すっかり副社長らしくなったなぁ」

小学生の頃は、時々見かけたが、それ以来、顔を合わすことは無かった。
近藤社長の後継者となると、プレッシャーもあるだろう。

「彼女は、私の秘書で」
「星部さん…じゃない?」
「えっ…近藤君?」
「やっぱり、星部さんか…あまりに綺麗になって、一瞬分からなかったよ」
「近藤君が、副社長だなんて、びっくり…あっ、失礼しました。近藤副社長」
「いいんだ。俺達の仲だから」

俺達の仲?確か年齢は、綾奈と同じだから、同級生か…
ふと横を見ると、目が合った綾奈が目を逸らす。

隠したいほどの関係だったのか…
初めての男は俺に間違いない。
キスも慣れてなかったけど…
純情な綾奈を大切に思っていたなら…
タイミングを逃しただけ…そんなこともあり得るか…
綾奈を見ると、オーラが揺れている。

「正人君と知り合いだったんだね」
綾奈は、気まずそうに答えた。
「は、はい…大学生の時、小さな塾のバイトで英語を教えてた時、数学の講師が近藤君で。大学も同じだったものですから」
「随分と仲が良かったのかな?」
「い、いえ、仲が良いとかでは無くて」
「星部さんとは、塾で一緒になった時、休憩時間に英語を教えて貰ったり、駅まで一緒に帰ったりしてたんですよ。まさか、こんな形で会えるなんて、何かの縁を感じる」
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