前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ
「もしかして…お2人は…」
「あぁ、正人君の想像通りだよ」
「そうでしたか…何故、星部さんが綺麗になったのか、分かりましたよ」
ため息をつきながら、肩を落とした正人君は、俺達を見て苦笑いをしている。

「俺の愛情が、たっぷり体に染みこんでるからね」
それを聞いた綾奈が、顔を真っ赤にして、何か言おうとした。
「だから、他の男では、もう満足出来ない。だろ?」
綾奈を見て、目で無言の圧をかけると、更に顔を赤らめ、頷いていた。

正人君は2人を見て、綾奈に対して抱いたオーラの変化は消え、元に戻っている。
諦めたか…

「もう、ここまででいいよ。綾奈、行くよ」
役員用のエレベータに乗り込み、引きつった笑顔で、頭を下げる正人君に見送られ、扉がしまった。

エレベータに乗って直ぐ、壁側に綾奈を立たせ、片手を壁についた。
「北斗さん…外のカメラに写ってますから」
「知ってるよ」
「キス、してるように思われます」
「そう見えるようにしてる。本当にキスをしたいが、今は歯止めが利かないからな」

外から中の様子が分かるはず。
そして、まだ、正人君は部屋に戻らず、中の様子を見ているだろう。
これで諦めがつくはずだ。

俺のさっきの態度が気になってか、
「近藤君のことは、何とも思ってませんから」
綾奈は俺を諭すように、俺の胸元に手を当てた。

ヤバいぞ…歯止めが利かない…
綾奈の顎を上げて、キスをしようとした時、地下の駐車場階に着いた。

「綾奈は何も分かってないよ」
全く…俺をも惑わす綾奈は、自分の魅力を知らなすぎる。

純白のオーラを放つ綾奈のせいだぞ。
人の気も知らないで、と思うが…
本人の意志は関係ないんだから、余計にたちが悪い。
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