前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ

【別れても愛は変わらない～北斗】

ニューヨークに着くと、早速、綾奈に電話をした。
「やっぱり、綾奈も連れてこれば良かったよ」
「私がいなくても、北斗さんは大丈夫ですから」
「それは仕事だけだ。だが、今は仕事の時ですら、綾奈が傍にいて欲しい」

俺の心からの声に、綾奈が言葉を詰まらせていた。
「綾奈？聞こえていたか？」
「は、はい。嬉しすぎて…私も…」
「終わったら直ぐ帰るから。次は一緒に来よう。あっ、ごめん、打ち合わせが始まるから切るよ。又、電話する」
「はい、お身体に気を付けて」
「あぁ、綾奈もな」

ビデオ通話で、連絡すれば良かったか…
綾奈の様子が分からなかった。
俺が、イギリスに住む友人みたいに、声で感情が分かればいいんだが…

何か…嫌な予感がする。
早くこっちを片付けて帰ろう。

「北斗、久しぶりだな」
「父さん、アトラクション型ショッピングモールの件は、大方、話はついた。日本に戻ったら、こっちでまだ出店していない会社に声を掛けるよ」
「あぁ、分かった」
「次は、この間話した新薬の件で、薬品会社とも提携をする。また纏まったら報告するよ」
「まぁ、お前に任せるよ。私はこれからも、日本の良さを広めたいから、色々な国で、人々の意見を聞いて来るよ」
「体に気を付けてくださいよ。それと、今度、紹介したい人がいるんだ」
「あぁ、純白のオーラを持つ秘書のことか？」
「初めて、心から大切にしたいって、思える人に出逢えたよ」
「お前の顔を見たら分かるよ。いい顔つきになった」
「彼女となら、この力が子供に受け継がれても、今まで以上に宇河HDを成長させる自信がある」
「それは楽しみだな。じゃあ、また連絡するよ」