前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ
青い目を持っていた父さんは、協調性があり、冷静さは秀でている。
赤いオーラを持つ母さんと、どうして仲がいいのか不思議だったが、見た目は母さんがリードしているように見えて、父さんが手綱を引いている。
俺と、綾奈とは正反対か…

両親共に、家柄や企業の大きさなどで、人を判断しない。
父さんは、力を失った今でも、人の資質を直感的に見極めることが出来る。
きっと、綾奈のことも分かってくれるだろう。

1週間経ち、後はWeb会議で進めていくことになった。
この3日間は、綾奈に連絡する間もないくらいだったから、寂しがっているだろうな…
早く綾奈に会いたい。

飛行機が日本に到着し、綾奈に電話をした。
『おかけになった電話番号は、現在使われておりません…』

あれっ?間違えたか?
画面を見ると、間違いなく綾奈の携帯番号…
リダイヤルするが、同じアナウンスが流れる。
どういうことだ…

空港まで迎えに来てくれていた富田さんに事情を話し、急いでマンションに向かってもらった。
「出発時のご様子は、どうでしたか?」
「いつも通りでした。現地で電話をした時の様子は気になりましたが、初めて離れたので、寂しいだけかと…」

俺は会社での様子が知りたくて、慌てて人事部長に連絡をした。
「社長、お疲れ様でした。星部さんのことは、残念です。彼女のような優秀な人財が退職なんて…」
「はぁ?退職?何の話だ」
「えっ!2日前、星部さんが、退職の話は社長の承諾を得ているから、その日中に手続きをして欲しいと、書類の手続きを致しましたが…どういうことですか?」
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