前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ
綾奈が退職…
何があったんだ…
「社長…」
「また出勤したら声を掛けます」
俺は、慌てて電話を切って、焦りと不安で、冷や汗が出る。
「富田さん、もう家に綾奈はいないかもしれません」
「まさか…いつお会いしても、優しい笑顔を浮かべて、北斗様のことばかり話をしていたのに…」
「俺の力を聞いてから1ヶ月。一緒にいるのが、窮屈になったかもしれません」
「星部さんなら、大丈夫かと思いましたが…」
「俺もそう思っていましたが…でも、それしか理由が見つからない」

家に着くまでのもどかしい時間。
ようやくマンションに着き、コンシェルジュに声を掛けた。
「星部さんの様子で、気になったことはありませんか?」
「これは宇河様。昨日、実家にお荷物を運ぶからと、引っ越し業者が来ておりましたが…」

最後まで言葉を聞かず、俺は走った。
俺の部屋に入ると、綾奈の姿が無い。
綾奈の物が無くなっている。
隣の部屋は…

慌てて、隣の部屋に行こうとした時、ソファの前のテーブルに、置いてある封筒に気づいた。
書かれているのは、『退職届』と『北斗さんへ』の2通。
慌てて、『北斗さんへ』の封を開けた。
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