前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ
【愛するのは、生涯君だけだ~北斗】
ニューヨークから帰って来て1週間、寝る間も惜しんで、仕事に打ち込んだ。

管理担当役員と、話を詰めていると、
「社長、日程にはまだ余裕があります。この仕事は私が引き取ります」
俺を心配そうに見ながら、書類を整えていた。
「仕事を進めないと、落ち着かないんですよ」
綾奈がいない寂しさを埋めるためだとは、到底言えるはずがない。

「そうですね、我々の力不足もありますが、今のままでは社長のお体が、壊れてしまいます。どうか、我々にお任せください」
「いえ、皆さんは信頼していますから、私の問題です」
「お忙しいなら、次の秘書を捜しましょうか?」
「秘書は必要ありません。それに…」
それに…万が一、綾奈が戻ることがあれば…
「こちらの話です。纏めたら教えてください」
「承知しました。後ほどご報告します」
担当役員は、それ以上何も言わず、部屋を出て行った。

2人で過ごしたあの部屋に、1人で過ごすのが辛くて、ホテルに宿泊し、無我夢中で仕事に取り組んだ。
流石に疲れてる…今日は、あの部屋に戻るか。
綾奈との想い出が詰まってる部屋に戻るのは、まだ辛いが…

その時、受付から電話が入った。
「社長、霞条景子様という方がお見えですが…」
どうして、このタイミングで、彼女が来たんだ?
俺は不思議に思いながらも、「通して下さい」とスタッフに伝えた。

到着を知らせるドアホンが鳴り、ドアを開けると、俺の元許婚、景子さんが、化粧を施し、ブランドに身を包んで立っていた。
「中にどうぞ」
横を通ると、俺の苦手な香水が、鼻をかすめる。
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