前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ
「富田さん、分かりました。会社の周り一体の病院を捜してください」
「そんな近くに…分かりました」
「綾奈は胸に、星の形をした痣があります」
「星の痣…」
「どうかしましたか?」
「いえ…星部という名前と星の痣が、何か私の記憶の中にありまして…あっ、それよりも、直ぐに捜します」

富田さんの返事を待っている時間。
こんなに、もどかしい時間は初めてだ。
何も出来ない自分に腹が立つ。
ただ、部屋をうろうろとするだけの自分が情けない。

しばらくして、富田さんから連絡が来た。
「北斗様!分かりました!直ぐに入院先を送ります」
俺は家を飛び出し、駐車場に向かいながら、話を続けた。
「ありがとうございます!あと、お願いしたいことが」
「お仕事のことは、お任せ下さい。今日は、私が全身全霊で、来賓をおもてなし致します。北斗様、1人の男として、自分の心のままに、星部さんと向き合ってください」
「ありがとう、富田さん」
「星部さんと、お子様に会える事を、楽しみにしていますよ。行ってらっしゃい」
「はい、行ってきます!」
俺は急いでエンジンをかけ、病院に向かった。

綾奈と俺達の愛する子供に…早く逢いたい。
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