前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ
「星部…それって…」
綾奈を抱きしめた時の感情。
懐かしく、寂しく、どうしようもないくらい愛おしいと思った。
もしかして…
夢に出てくる女性。あれは綾乃…
俺は北星の生まれ変わりで、あの夢は、過去の記憶…

俺達は、遠い昔に愛し合っていた。
でも、添い遂げることが出来なかった、恋人同士だったのか…

「その後、星部家の事は書かれていませんが…綾乃さんも、胸に星形の痣があり、純白のオーラを纏っていたそうです」

間違いない。
あのオーラを纏えるのはただ1人、綾奈だけだ。
会うべくして、会った。ただの偶然じゃ無い。
必然だったんだ。
綾奈…俺達は結ばれる運命なんだよ。

でも綾奈は、この目の力を聞いた後に姿を消した。
誰でも、恐怖や不安を抱く。
一緒にいれば、ずっと感情を読み取られる。
きっと、それに耐えられなかったんだろう。
当然の選択だ。

妊娠に気付いたのは、その後かもしれない。
綾奈に真実を聞きたい。
そして、俺の気持ちを…

俺は、君を忘れる事が出来ない。
もう…綾奈の愛おしさがこの体に刻み込まれたから…
綾奈が会ってくれるまで、ここから動かない。
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