前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ
俺から離れた本当の理由…
そうだったのか…

可愛そうに、どんな気持ちで聞いていたんだろう。
胸が張り裂けそうだった。
俺達は、ずっと昔から愛し合っていたのに…

「綾奈、実はね…俺と綾奈は昔、恋人同士だったんだ」
「えっ?」
「綾奈、俺と知り合うまで、ずっと同じ夢で、目が覚める話をしただろ?俺が他の男の夢を見ることを怒って、それっきりだった話だ」
「は、はい」
「実は俺も同じような夢を見ていたんだ。俺は女性だが…生まれ変わったら、見つけてくださいって」
「それが…私達…」
「ようやく見つけたんだ」
綾奈の頭を撫でる。愛おしいはずだ。
約束を果たすために、ずっと待っていた、愛する人なんだから…

「過去に結ばれなかった俺達が出会ったのは、必然だ」
「でも、私の家柄はそんな立派なものじゃ…」
「家柄なんてどうでもいい。何事にもブレない心を持つ、純真無垢な綾奈は、俺にとって唯一無二の存在だ」
「北斗さん…」
「綾奈…俺の子を産んでくれてありがとう…1人で大変だっただろうに」
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