前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ
ようやく、絡み合った糸が1本に繋がった気がした。
前世の約束。
そして、俺の力と綾奈の力。
2人の力が合わされば、強大な力を持つかも知れない。
もし、悪用されたり、悪用するような者が受け継げば…
過去が変わっていたかもしれない。

幸い、星部家の力を受け継ぐのは、女の子だけだ。
第一子が男の子で俺の力を受け継ぐから、合わさることはない…

「改めてご挨拶に来ます。その時は、綾奈と子供を連れて来ます」
「はい…綾奈を…綾奈とひ孫を宜しくお願いします」
深々と頭を下げる2人に挨拶し、家に戻ると同時に、海外にいる父さんに電話をした。

「何かあったか?」
「あぁ、重大ニュースだ」
「お前で片付かない案件なんて、一体何だ?」
「父さん、孫が出来たぞ。男の子だ」
「北斗…そうか…この俺が爺ちゃんになる日が来るなんて…」
父さんは、綾奈と俺のことには触れず、声を震わせていた。

「鬼の目にも涙か?」
「綾奈さんに、北斗を受け入れてくれて、ありがとうって伝えてくれないか?」
「あぁ、伝えるよ」
「孫を抱かせてくれよ」
「もちろんさ。母さんにも宜しく」
「もう、横で泣いてるよ」
すすり泣く母さんの声が聞こえる。
「しっかり、父親しろよ。じゃあな」
電話を切って、2人が抱き合って、喜んでる姿を思い浮かべた。
俺達も、2人に負けない夫婦になるよ。
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