前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ
【威厳ある社長パパは、子育て奮闘中】
半年が経ち、北斗さんは今も率先して、家事や星也のお世話をしてくれる。

北斗さんが忙しくて休めない日が続くと、1人で大丈夫と言ってるのに、
「心配でしかたない。もう、既に準備は整えている。明日は、会社に一緒に行こう。あっ、確か…これは無かったか…」
と、ゴソゴソと星也の物を鞄に入れている。
「あの、準備って何をですか?」
「行けば分かる」
北斗さんは、振り向く事なく「あぁ、準備不足なんて情けない」と、1人で呟いていた。

翌日、秘書室に入ると目に飛び込んだのは…

「ひ、秘書室が…キッズルームに…」
オムツや着替え、他にもいっぱい準備された子育てグッズと、私のくつろげるスペースまで…
「北斗さん、いつの間に…」
「星也が産まれてから、直ぐにね」
「秘書室が…お家になりましたね…」
「綾奈には秘書として俺の傍にいて欲しい。星也の育児はしたい。会社の企業型保育園に星也を預けると、先生や従業員も気を使う。解消するには、これだろ?」
「確かにそうですが…」
「不便や足りない物があれば、遠慮せず、言ってくれたらいい。出来るだけ一緒に来てくれると、助かるんだが…いいかな?」
「…は、はいっ、もちろんです」

家の方が落ち着きます…そう言いたかったけど、ここまで準備してくれて、星也をあやす、満面な笑みの北斗さんを見ていると、幸せすぎて、言葉を呑んだ。

それからは、昼間は秘書室で子育てと、仕事をしたり、私用のベットで、休む事もあった。

「困ったことがあったら、声を掛けろよ」
そう言って、秘書室との内ドアを閉めて社長室に戻るけど、声を掛けなくても、星也に会いに来る。

「寝顔が見たくてな」
「お仕事、大丈夫ですか?」
「もうすぐ海外プロジェクトの会議だ。綾奈、悪いが、星也が寝てる間に、デスクの書類、ファイリングしてくれるか?」
「はい、お仕事出来て、気張らしになります」
「頼んだよ」
北斗さんは、星也の頭を優しく撫でて、
「パパ、会議に行くから、ママを困らさないように、ゆっくり寝てろよ」
優しく微笑み、会議に向かった。

会長とお母様が、海外支社を転々とし、現地で交渉などをして、後は北斗さんに任せている。
仲がいい親子というより、信頼し合った仕事のパートナーというイメージがピッタリ。
2人に星也の写真を送ると、大喜びしていた。
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