前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ
今は、海外プロジェクトの1つで、北斗さんは、現代と平安時代を融合させたような、ラスベガスで建築中のカジノの件で、会議に出ている。
予定していたデザインと少し変わっていて、北斗さんがストップをかけていると聞いたけど…

ファイリングが終わり、片付けをしていると、ドアが開き、流暢な英語で電話をしながら、北斗さんが戻って来た。
椅子に座り、スピーカーにしてから、険しい顔で資料を見ている。

「どうして報告しなかったか、聞いているんだ」
「日程上、納期に間に合わないと判断したからです」
「間に合わないから、妥協する私だと思うのか?」
「いえ…それは…」
「デザインや材料は、緻密に考えている。始めに言っただろ?今回は、設計通りに出来て、完璧に融合出来ると」
「申し訳ありません。日程重視で、よく似た物を調達したので、色合いが若干、違いましたが、ほぼ同じでしたので…」
「それで、結果はどうだった?私に反論出来る結果になったのか?」
「…今日ご説明いただいて、角度によっては、設計通りの表現が出来ないことが分かりました」
「では、どうしたらいいか、分かってるな?」
「はい、直ぐに調達します」
「日程スケジュールの責任は、私が取る。関係企業には、私から連絡してお詫びする。早急に対応を頼む」

珍しく怒っている本当の理由は…
先日にあったWEB報告会で、嘘が見えたから…

眉間に皺を寄せた北斗さんは、電話を切って立ち上がった。
「綾奈、ちょっといいか?」
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