前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ
【再び、癒やしの力は、嫉妬を招く】
今日は、北斗さんの外出に同行することになって、2歳になった星也は、北斗さんの実家で、富田さん達スタッフさんに預けた。

「今から会う商談相手は、イギリスのベルグレイヴィアに住むジョージっていってね。俺の幼馴染みなんだ」
「セレブが住む街で有名な所ですよね。どんな方ですか?」
「由緒ある貴族で、余った屋敷をホテル経営してから、大手ホテル業界まで、発展させたんだ。俺と同じように力を持つ家系でね」
「私、北斗さんのような力を持つ人は、日本人だけかと思ってました」
「ジョージの祖先が、力を持つ日本人男性と結婚したんだよ」
「力を受け継いだ人は、沢山いるんですか?」
「俺達の年代まで子孫が残っているのは、極わずかだ。その中でも、強大な力があるのは、宇河家、霞条家、そしてジョージの家系だけだ」

北斗さんは手を伸ばし、不安そうな顔で、私の頬を撫でる。
「だが、綾奈のように、自分の力を知らない者もいるからな。心配だよ」
「私は、力を知らなくても、大丈夫でしたよ?」
「俺が心配なのは、力ある者が、綾奈に触れた時のことだ」
「大丈夫ですよ。いつも言われているように、北斗さんがいいって言うまで、その人には触れませんから」
「俺のために、気をつけてくれ。今日は絶対にジョージに触れないように」
「はい、大丈夫ですよ」
会う事が決まってから、会社でも家でも、言われ続けているから、大丈夫!

ホテルに着くと、広々としたVIPルームに通された。
「やぁ、北斗、久しぶり。初めまして、綾奈さん」
「初めまして、ジョージさん」
「ジョージ、帰国前に時間を貰って済まない。早速契約の話をしようか」
「あぁ、その前に…」
< 98 / 112 >

この作品をシェア

pagetop