前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ
私は、あっという間に、ジョージさんに腕を引かれて、ハグをされた。
「触るなって言っただろ!」
北斗さんは、ジョージさんから奪うように、私を引き寄せる。

「ただの挨拶だよ。凄いなぁ君は…想像以上の力だね。北斗が牽制するはずだ」
「あれほど、触れるなって言っただろ?もう2度と触れるな」
「僕は、ダメだと言われるほど、試したくなるんだ。君のような力の持ち主は、初めてだよ」
北斗さんの私を抱きしめる力が強くなる。

「北斗、僕に綾奈さんをもう1度抱きしめさせてくれないか?それで、全面協力を約束するよ」
「あぁ、分かった」
北斗さんは私の手を取り、
「綾奈、帰るぞ」
低く冷たい声で、ジョージさんの顔を見ること無く、ドアに向かい歩き出した。

「えっ?でも…」
「今回の話は、白紙だ。それと…」
一層鋭い眼光で、ジョージさんを見つめた。

「もう、2度と君に会うことはない」
「僕によくそんなこと言えるね。潰すよ?」
「望むところだ。負ける気がしない。俺の妻を契約の条件に出すトップと、信頼関係は結べないからな」
「別に、ベッドを共にするとは言ってない。抱きしめるだけだよ?」
「同じことだ。例え世界中を敵に回そうと、そんな気持ちを抱く者には、綾奈に指1本触れさせない」

睨み合う緊迫した空気に、ジョージさんがため息をつきながら、微笑んだ。
「はぁ…相変わらず、面白くないね。でも、そんな北斗だから一緒に仕事が出来る」
ジョージさんが立ち上がって、私に頭を下げた。
「悪かったね、綾奈さん。君の力はね、普通の人なら、癒やされ、安心感を抱く」
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