国宝級オルガニストは初恋の彼女に甘く口づける
12畳ほどの部屋だった。ベージュの絨毯に、茶色のソファセットがある。壁面にはドレッサーとピアノがあった。
中には二人の男性がいた。一人は年配で、もう一人は若い。
若い男性はオルガニストの蘭東奏鳴だった。パンフレットには30歳と書かれていた。自分の一つ上だ。
優しい顔立ちをしていた。ぱっちりした明るい茶色の目はやや垂れている。黒髪はパーマをかけているのか、毛先が跳ねていた。左耳に明るい緑色の石のピアスをしていた。
自分のペンダントと同じ色だ、と律華は思った。
彼は感極まったように目を細めて自分を見ていた。
疑問に思う律華に、彼は歩み寄る。
「会いたかった。抱きしめていい?」
返事を待たず、彼は律華を抱きしめる。
「きゃあああ!」
律華は悲鳴を上げ、コンサートに申し込んだときのことを思い出した。
中には二人の男性がいた。一人は年配で、もう一人は若い。
若い男性はオルガニストの蘭東奏鳴だった。パンフレットには30歳と書かれていた。自分の一つ上だ。
優しい顔立ちをしていた。ぱっちりした明るい茶色の目はやや垂れている。黒髪はパーマをかけているのか、毛先が跳ねていた。左耳に明るい緑色の石のピアスをしていた。
自分のペンダントと同じ色だ、と律華は思った。
彼は感極まったように目を細めて自分を見ていた。
疑問に思う律華に、彼は歩み寄る。
「会いたかった。抱きしめていい?」
返事を待たず、彼は律華を抱きしめる。
「きゃあああ!」
律華は悲鳴を上げ、コンサートに申し込んだときのことを思い出した。