国宝級オルガニストは初恋の彼女に甘く口づける
二階に少年がいた。律華からは背しか見えない。だがきっと彼がなにかの楽器を演奏をしているのだ。
音楽が止むと、自然と拍手をしていた。
「拍手ありがとう!」
少年は振り向き、溌剌とした笑顔でそう言った。
「今そっちに行く!」
装飾のように設置された円柱のらせん階段を、彼は駆け下りて来た。
同い年くらいの美しい少年だった。ぱっちりした明るい茶色の目はやや垂れていて、優しそうだった。
「聞いてる子がいるなんて思わなかった」
「すごく素敵だった。神様が本当にいるかもって思うくらい」
律華にしてみれば、それは最大級の賛辞だった。
少年はまたにこっと笑った。気持ちが伝わったみたいで、うれしくなった。
「君も弾いてみる?」
「いいの?」
「いいよ。おいで」
二人でらせん階段を上がると、ぎしぎしと音がなった。
二階にはタンスより大きなものが目の間にあった。鍵盤があったから、楽器だろうとわかった。
「これ、なに?」
「パイプオルガンだよ」
「学校で見たオルガンと全然違う」
初めて見るパイプオルガンは大きくて、威風堂々としていた。
立ち並ぶパイプの下の鍵盤は三段もあって、足元にも鍵盤がある。両側にはたくさんのスイッチらしきものがあって、なにをどうするのか、さっぱりわからない。
音楽が止むと、自然と拍手をしていた。
「拍手ありがとう!」
少年は振り向き、溌剌とした笑顔でそう言った。
「今そっちに行く!」
装飾のように設置された円柱のらせん階段を、彼は駆け下りて来た。
同い年くらいの美しい少年だった。ぱっちりした明るい茶色の目はやや垂れていて、優しそうだった。
「聞いてる子がいるなんて思わなかった」
「すごく素敵だった。神様が本当にいるかもって思うくらい」
律華にしてみれば、それは最大級の賛辞だった。
少年はまたにこっと笑った。気持ちが伝わったみたいで、うれしくなった。
「君も弾いてみる?」
「いいの?」
「いいよ。おいで」
二人でらせん階段を上がると、ぎしぎしと音がなった。
二階にはタンスより大きなものが目の間にあった。鍵盤があったから、楽器だろうとわかった。
「これ、なに?」
「パイプオルガンだよ」
「学校で見たオルガンと全然違う」
初めて見るパイプオルガンは大きくて、威風堂々としていた。
立ち並ぶパイプの下の鍵盤は三段もあって、足元にも鍵盤がある。両側にはたくさんのスイッチらしきものがあって、なにをどうするのか、さっぱりわからない。