御曹司は不遇な彼女に本物の愛を注ぐ
そしてプライベートも最悪だった。
両親から逃げるようにして高校卒業と同時に一人暮らしをしたのは良いものの、気付けばヒモ男、五十嵐公孝(いがらし きみたか)と同棲していた。
それは私の給料が出た日のこと。
「今月の給料は?」
「……はい」
「ケッ。これっぽちかよ。正社員なんだから残業すれば給料上がんだろ?だったら死ぬまで残業してこいよ」
「でも、これ以上はっ……」
「あぁ?俺に逆らうっての?」
「ごめんなさい。明日からも残業頑張ります」
「最初からそう言えばいーんだよ」
「はい……」
最初は優しかった彼氏も仕事を辞めてからというもの別人のように変わった。
私の給料を半分以上もらい、毎日のように酒とギャンブル、そして私ではない女に使っている。家賃も光熱費も全て私が払っている。
バイトでもいいからしてほしい。出来なければここから出て行ってほしいと言えば、わたしが逆らったことになるらしく、気絶するまで暴力を振るわれた。彼氏が散財するせいで私は毎日もやししか口にしていない。
警察に相談に行ったことはあるが、まともに相手にしてくれなかった。「貴女もねぇ、少しは言い返したほうがいいですよ。少しでも強気に出れば相手も調子に乗ったりしませんから」なんてアドバイスにもならないアドバイスをもらった。
強気に出るだけ無駄なんだ。何度も働いてほしいと優しく交渉してみた。けれど、駄目だった。彼氏は私の給料を当てにしている。私がいなきゃ普通の生活だって出来ないはずなのに。
暴力で私を逃げられないようにしているのだ。
怖い。逃げたい。けれど、身体が言うことを聞かない。逆らわず、ただただ彼のお願いを聞いていれば家では平和でいられる。何時からだろう。私が彼の恋人ではなく、奴隷のようになってしまったのは。
今日も家に帰れば、彼からお金をむしり取られる。嫌だ。今日は給料日。本当なら自分のために一度でいいからお金を使ってみたい。
可愛い服を買ってみたり、化粧品を買って魔法にかかってみたり。友達と食事に行ってみたり。って、私には頼れる友人もいないんだっけ。このまま生きていたって意味はない。
両親から逃げるようにして高校卒業と同時に一人暮らしをしたのは良いものの、気付けばヒモ男、五十嵐公孝(いがらし きみたか)と同棲していた。
それは私の給料が出た日のこと。
「今月の給料は?」
「……はい」
「ケッ。これっぽちかよ。正社員なんだから残業すれば給料上がんだろ?だったら死ぬまで残業してこいよ」
「でも、これ以上はっ……」
「あぁ?俺に逆らうっての?」
「ごめんなさい。明日からも残業頑張ります」
「最初からそう言えばいーんだよ」
「はい……」
最初は優しかった彼氏も仕事を辞めてからというもの別人のように変わった。
私の給料を半分以上もらい、毎日のように酒とギャンブル、そして私ではない女に使っている。家賃も光熱費も全て私が払っている。
バイトでもいいからしてほしい。出来なければここから出て行ってほしいと言えば、わたしが逆らったことになるらしく、気絶するまで暴力を振るわれた。彼氏が散財するせいで私は毎日もやししか口にしていない。
警察に相談に行ったことはあるが、まともに相手にしてくれなかった。「貴女もねぇ、少しは言い返したほうがいいですよ。少しでも強気に出れば相手も調子に乗ったりしませんから」なんてアドバイスにもならないアドバイスをもらった。
強気に出るだけ無駄なんだ。何度も働いてほしいと優しく交渉してみた。けれど、駄目だった。彼氏は私の給料を当てにしている。私がいなきゃ普通の生活だって出来ないはずなのに。
暴力で私を逃げられないようにしているのだ。
怖い。逃げたい。けれど、身体が言うことを聞かない。逆らわず、ただただ彼のお願いを聞いていれば家では平和でいられる。何時からだろう。私が彼の恋人ではなく、奴隷のようになってしまったのは。
今日も家に帰れば、彼からお金をむしり取られる。嫌だ。今日は給料日。本当なら自分のために一度でいいからお金を使ってみたい。
可愛い服を買ってみたり、化粧品を買って魔法にかかってみたり。友達と食事に行ってみたり。って、私には頼れる友人もいないんだっけ。このまま生きていたって意味はない。