御曹司は不遇な彼女に本物の愛を注ぐ
「隼人様。探しましたよ。会議中に抜け出すとは何事ですか」

「わるいわるい。俺には堅苦しい会議は似合わねぇんだよ。んで、会議はどうだった?」


「何事もなく無事に終わりましたよ」

「そりゃあ良かった」


「……」


隼人、様?目の前には大きくて高そうな車が停まっている。車の種類は詳しくないからパッと名前が出てこない。


「隼人様。隣にいる女性は誰ですか?」


「この子か?俺の新しい同居人」

「わっ……!」


腰をグイッと掴まれ、神宮寺さんのほうに引き寄せられた。ピッタリと神宮寺さんの距離が縮まる。近くで見るとよりイケメン……じゃなくて!


「神宮寺さん。私にもわかるように説明してください」

「ん?それは車に乗ってからな」 


「この車、お金持ちの人しか乗れないイメージなんですけど……」

「ロールスロイスって別に金持ちじゃなくても乗れるぞ。ほら、手」

「は、はい」


ロールスロイス!?神宮寺さんって実はお金持ち?秘書さん?お付きの人?に隼人様って呼ばれてるし……。


「さっそく本題に入るが、俺の正体について知りたいんだろ?」

「そうです」


一緒に住むとは承諾したものの、私は神宮寺さんのことは何も知らない。神宮寺という名字を聞いて私が驚かなかったと言っていたのも気になる。

神宮寺さんがわざわざそれを言うってことはそれなりにいいとこのお坊ちゃまってことだよね?
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