気高き不動産王は傷心シンデレラへの溺愛を絶やさない
どんなに安くても六桁以上するし、以前円香から聞いた話が正しいなら、八桁の婚約指輪をプレゼントされた女優がいたはずだ。
自分へのご褒美に、という考えも出てこないようなブランドのアクセサリーを、志信さんは買ってきた。
日頃の感謝のつもりとは言っていたけれど、あの様子だと以前から準備していたものではないように思う。
「優陽、お茶を淹れようと思うんだが飲むか?」
「あ……うん」
声をかけられてぎくりとしながら、食洗器のスイッチを入れてリビングへ向かう。入れ替わりにキッチンへ向かった志信さんを見送り、ソファに腰を下ろした。
――彼との契約結婚は居心地がいい。
だけど、当初に想定していたような『妻のふりをしなければならない時』もないし、仕事もなくただ趣味と実益を兼ねた料理を楽しむ毎日には申し訳なさを感じる。
自分へのご褒美に、という考えも出てこないようなブランドのアクセサリーを、志信さんは買ってきた。
日頃の感謝のつもりとは言っていたけれど、あの様子だと以前から準備していたものではないように思う。
「優陽、お茶を淹れようと思うんだが飲むか?」
「あ……うん」
声をかけられてぎくりとしながら、食洗器のスイッチを入れてリビングへ向かう。入れ替わりにキッチンへ向かった志信さんを見送り、ソファに腰を下ろした。
――彼との契約結婚は居心地がいい。
だけど、当初に想定していたような『妻のふりをしなければならない時』もないし、仕事もなくただ趣味と実益を兼ねた料理を楽しむ毎日には申し訳なさを感じる。