気高き不動産王は傷心シンデレラへの溺愛を絶やさない
　待ち合わせをしていたのだけれど、合流する前に渋滞につかまったらしい。

「お母さんたちもそろそろ来ると思うんだけど――」

「お前も俺とゆっくり話したかっただろ？　この間は邪魔が入ったからな」

　距離を詰められながら言われて口をつぐむ。

「寂しい思いさせてごめんな。構ってやるよ」

「……もう子どもじゃないから平気だよ」

　いっそはっきり嫌いだと言えば扱いも変わるのだろうが、そうなるとほかの親戚たちからなにを言われるかわからない。

　宗吾くんはみんなからのかわいがられているし、私はどちらかというと腫れもの扱いだ。

　今日も二十人近く親戚がいるけれど、挨拶以外で積極的に会話しようとしてくる人は祖母と宗吾くんくらい。ほかはときどき視線を向けてくるだけで終わった。

　実の両親があまり親戚付き合いをしていなかったのもあり、私との距離感がわからないのだと思う。

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