気高き不動産王は傷心シンデレラへの溺愛を絶やさない
 その後はいつも通り夕飯を食べ、お風呂を済ませ、もうなにもしなくていい状態まで身支度を整える。

 そして私たちは、リビングのテーブルを挟んで向かい合った。

「大事な話って?」

 気が急いてしまって尋ねてしまうと、志信さんは苦笑した。

「君との今後の関係について、だね」

 ああやっぱり、と心の中で呟く。

「……どうして急に?」

 一年続くはずだったのだ。この居心地のいい幸せな時間が。

 それがなぜ突然奪われることになったのか、その理由をちゃんと知っておきたいと思った。

「実は、少し前からうちの会社に嫌がらせ行為があってね。これまでは警察も大きく動けない程度の嫌がらせだったんだけど……」

 ごくりと息をのむ。

「今日、君の写真が送られてきた」

「えっ……」

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