気高き不動産王は傷心シンデレラへの溺愛を絶やさない
 そうして帰ってくると、志信さんが私にスマホを差し出してきた。

「通知が来てたよ」

「もう遅いのに誰だろう」

「夫婦の時間を邪魔するなと返信しておくといい」

 横になった志信さんのそばに座り、通知されたメッセージを確認する。

「……え」

「どうかした?」

 衝撃的な文面を目にして、志信さんへの返事が頭から抜け落ちた。

【お前は夫に騙されてる】

 差出人は宗吾くんだった。

 嫌な予感を覚えながらすぐに返答する。

【どういう意味?】

【お前の知らないことがあるんだよ】

 志信さんから聞いた話と、宗吾くんからの意味深な連絡。

 タイミングがタイミングなだけに、私の中で答え合わせができてしまった。

【志信さんに迷惑をかけるのはやめて】

【なんの話をしてるんだ?】

【全部聞いてるんだよ】

【だから、なんの話かわからないって】

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