気高き不動産王は傷心シンデレラへの溺愛を絶やさない
「うーん……アクセサリー、ですか」

「あまり惹かれないか?」

「素敵だとは思います。だけど、アクセサリーは特別な人からもらいたいかもしれません……?」

 なにげなく意見を伝えると、水無月社長がはっとした顔をした。

「その視点はなかった。そうか、どんなにプレミア感のあるものを用意しても、特別な相手からもらうプレゼントには敵わないな。いや、完全に盲点だった。もらう側の気持ちは考えたことがなかったな」

 まず間違いなく水無月社長はプレゼントをする側の人間だ。

 それを考えると、たしかに私の意見は彼が思い至らないものだったかもしれない。

「君のそれも、特別な人にもらったものなのか?」

 水無月社長の視線は私の耳に向いていた。

 そこで揺れるクリスタルガラスのイヤリングを言っているのだろう。

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