気高き不動産王は傷心シンデレラへの溺愛を絶やさない
「なに?」

「いや、俺も藍斗にいろいろ言っておこうと思ってな」

「そっか、結婚式にも招待するもんね。筑波社長も忙しいだろうし、結婚式に来てもらえるように予定を聞いておこうか」

「放っておいても、予定なら勝手に合わせてくるだろう。身内には甘いから」

 仕事のパートナーにもなるほどの親友に絶大な信頼を置いているようだ。

 その姿に尊敬の念を覚えて、私も遠慮せず円香に連絡しようと改めて思った。



 自室にて寝る支度を整えた後、意を決して円香にメッセージを送った。

【最近どう? 前に言っていた悩みは解決した?】

 それだけでは気まずいように思えて、さらにもう一文打ち込む。

【もし力になれることがあったら言ってね】

 彼女が元気そうなら、赤ちゃんの話をしよう。

 だけどまだ悩みが解決していなくて困っているようなら、今はまだやめておこう。

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