気高き不動産王は傷心シンデレラへの溺愛を絶やさない
 志信さんの声が聞こえ、そちらを向く。

 寝間着に身を包んだ志信さんは私に心配そうな眼差しを向けた。

「もうひとりの身体じゃないんだから、夜更かししないように」

「うん。もう寝るよ。……今、円香に連絡してみたんだけど、悩みは解決しそうなんだって。安心しちゃった」

「それはなによりだ。これで結婚式にも呼びやすくなったな」

「すぐそっちに行くから、ちょっと待ってて。おやすみって言ってくる」

 志信さんを寝室に送って、再びスマホに視線を落とす。

【明日はさすがに無理だから、ご飯はまた改めて日にちを合わせよう。今日はもう寝るね、おやすみ!】

 円香にメッセージを送ってから、すぐ志信さんの後を追いかけた。



 寝室の大きなベッドに潜り込み、志信さんの腕の中に入れてもらう。

 いつの間にか、眠る時の私の定位置はここになっていた。

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