気高き不動産王は傷心シンデレラへの溺愛を絶やさない
こんな短時間でも、彼が誰にでも対等に接し、自分のことのようにその行いを喜ぶ聖人だと気づくのだから、一緒に働いている人たちはなおさらだろう。
社長だから、というわけではなさそうだった。
純粋に『人間ができている』と思ったら、そんな彼を独占している今に申し訳ない気持ちと、ほんの少しのうれしさが込み上げる。
「あそこに見えるのは、セレモニーで言ってた観覧車ですか? こうやって見るとすごく大きいですね」
「日本最大級だそうだ。どうせなら大きくしてやれ、と関係者で盛り上がった結果、あの大きさになった」
「えっ、そんな理由で……?」
「表向きにはもっといい理由をつけてある。今のは内緒にしておいてくれ」
これまでも何度か裏話を教えてもらったけれど、こんなふうに内緒にしてほしいと言われたのは初めてだった。
彼との間に秘密ができた、という事実が胸を高鳴らせる。
社長だから、というわけではなさそうだった。
純粋に『人間ができている』と思ったら、そんな彼を独占している今に申し訳ない気持ちと、ほんの少しのうれしさが込み上げる。
「あそこに見えるのは、セレモニーで言ってた観覧車ですか? こうやって見るとすごく大きいですね」
「日本最大級だそうだ。どうせなら大きくしてやれ、と関係者で盛り上がった結果、あの大きさになった」
「えっ、そんな理由で……?」
「表向きにはもっといい理由をつけてある。今のは内緒にしておいてくれ」
これまでも何度か裏話を教えてもらったけれど、こんなふうに内緒にしてほしいと言われたのは初めてだった。
彼との間に秘密ができた、という事実が胸を高鳴らせる。