気高き不動産王は傷心シンデレラへの溺愛を絶やさない
「筑波社長にもよろしくお伝えください。……それでは失礼します」

 また呼び止められたらいいのに、なんて思った自分に少し驚く。

 今日が本当に素敵な日だったから、きっと欲張りになっているのだろう。

 水無月社長との楽しいひと時は、しばらく忘れられそうにない。

 またこんな夢を見たいと思うと同時に、これが最初で最後だろうとわかってもいる。

 とりあえず、特別な時間については円香に報告しようと思った。
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