気高き不動産王は傷心シンデレラへの溺愛を絶やさない
「まさか。営業マンっていってもみんなが思うほど稼げないんだからね。優陽はどうなの? インテリア雑貨の会社でしょ? いいところに連れて行ってもらえるイメージがあるんだけど」
「ないない。営業とか企画ならあるかもしれないけど、私はただの事務だもん」
そんなただの事務員が、今日は親友に合わせてドレスコードまでしている。
円香は身体のラインが目立つ水色のドレスを、私はゆったりとしたサーモンピンクのドレスを選んだ。
特別感があって楽しいと思っているのを、きっと彼女も気づいているだろう。
「えー。お客さんからご招待とかもないの? ほら、よかったら遊びに来てください……みたいな」
「あったら円香を誘ってるよ」
大きく開いた円香の目がふっと和んだ。
つられて細めた私の目は彼女と違って垂れている。いつも眠そうな顔をしていると言われるのは、眉も目尻も下がっているせいだ。
「ないない。営業とか企画ならあるかもしれないけど、私はただの事務だもん」
そんなただの事務員が、今日は親友に合わせてドレスコードまでしている。
円香は身体のラインが目立つ水色のドレスを、私はゆったりとしたサーモンピンクのドレスを選んだ。
特別感があって楽しいと思っているのを、きっと彼女も気づいているだろう。
「えー。お客さんからご招待とかもないの? ほら、よかったら遊びに来てください……みたいな」
「あったら円香を誘ってるよ」
大きく開いた円香の目がふっと和んだ。
つられて細めた私の目は彼女と違って垂れている。いつも眠そうな顔をしていると言われるのは、眉も目尻も下がっているせいだ。