神殺しのクロノスタシス6
葉っぱも枝も全部朽ち果てて、さながらのっぺらぼう状態で、腐りかけた幹だけが傾いている大木。
岩陰にひっそりと生えた、赤ん坊の頭くらいありそうな、平べったい青いキノコ。
花が咲いていると思ったら、教室一つ分くらいの敷地に、地面を覆い尽くさんばかりにびっしりと、大量の棘がついた灰色の花が咲いていた。
木の上に成っているピンポン玉のような木の実からは、腐ったような匂いがしていた。
…うーん。…見るもの全てがグロい。
「暗殺者時代に、一通りのサバイバル知識は教えられたけど…」
グロい葉っぱをポイッと放り投げながら、すぐりさんが言った。
「こんな植物は、どれも見たことがないね」
「僕もですよ」
死んでますもんね、この島。
不気味なくらい静まり返って、聞こえるのは波の音と、風の音だけ。
生き物の息吹は、全く感じられない。
さながらここは、死の島だ。
結構雰囲気あるじゃないですか。ホラー映画の舞台みたいですね。
ってことは、僕達これから、この島のバケモノに襲われる流れですか?
…何が出てくるのか。ちょっと楽しみですね。
「誰かいるかと思ったけど、俺達以外は誰もいそーにないね」
「そうみたいですね」
天音さんや令月さんのみならず。
羽久さんや、学院長の姿も見えない。
あの人達も相棒とはぐれてたりして…。
無事だと良いんですけど。
「これからどーしよっか?やっぱり無人島だから、脱出した方が良いのかなー」
無人島脱出ですか。
自分達でイカダとか作って?…それは面白そうですね。
時間があれば、是非とも無人島脱出ゲームを楽しみたいところだったが…。
「残念ながら、悠長なことをやっている暇はありませんからね」
ここが冥界だから、それとも無人島だからなのか。
目を覚ましてからずっと、胸騒ぎが酷い。
多分、この場所にはあまりいない方が良いんだろう。
ゆっくりと無人島ライフを楽しんでいる余裕はない。
「じゃ、どーするの?」
「…とりあえず、仲間との合流を優先しましょうか」
「どーやって?」
「その為に、これを渡されたんじゃないですか」
「これ?…あぁ、ここに来る時渡された笛かー」
そう、それです。
シュニィさんがを渡してくれた魔法道具。いざとなった時は、この笛で仲間との連絡を取るように、と。
こんな時こそ、この笛の出番。
そう思って、僕はポケットから笛を取り出した。
そして、次の瞬間に驚きのあまり、笛を持ったまま立ち尽くしてしまった。
「…?ナジュせんせー、どーしたの?」
「…すぐりさん。笛が」
「え?…えっ?」
僕が差し出した笛の有り様を見て、すぐりさんも目を見開いていた。
…冥界の『門』を潜る前、ついさっき、渡されたばかりのはずの笛が。
まるで、何十年、何百年と放置されていたかのように、黒く錆びついていた。
岩陰にひっそりと生えた、赤ん坊の頭くらいありそうな、平べったい青いキノコ。
花が咲いていると思ったら、教室一つ分くらいの敷地に、地面を覆い尽くさんばかりにびっしりと、大量の棘がついた灰色の花が咲いていた。
木の上に成っているピンポン玉のような木の実からは、腐ったような匂いがしていた。
…うーん。…見るもの全てがグロい。
「暗殺者時代に、一通りのサバイバル知識は教えられたけど…」
グロい葉っぱをポイッと放り投げながら、すぐりさんが言った。
「こんな植物は、どれも見たことがないね」
「僕もですよ」
死んでますもんね、この島。
不気味なくらい静まり返って、聞こえるのは波の音と、風の音だけ。
生き物の息吹は、全く感じられない。
さながらここは、死の島だ。
結構雰囲気あるじゃないですか。ホラー映画の舞台みたいですね。
ってことは、僕達これから、この島のバケモノに襲われる流れですか?
…何が出てくるのか。ちょっと楽しみですね。
「誰かいるかと思ったけど、俺達以外は誰もいそーにないね」
「そうみたいですね」
天音さんや令月さんのみならず。
羽久さんや、学院長の姿も見えない。
あの人達も相棒とはぐれてたりして…。
無事だと良いんですけど。
「これからどーしよっか?やっぱり無人島だから、脱出した方が良いのかなー」
無人島脱出ですか。
自分達でイカダとか作って?…それは面白そうですね。
時間があれば、是非とも無人島脱出ゲームを楽しみたいところだったが…。
「残念ながら、悠長なことをやっている暇はありませんからね」
ここが冥界だから、それとも無人島だからなのか。
目を覚ましてからずっと、胸騒ぎが酷い。
多分、この場所にはあまりいない方が良いんだろう。
ゆっくりと無人島ライフを楽しんでいる余裕はない。
「じゃ、どーするの?」
「…とりあえず、仲間との合流を優先しましょうか」
「どーやって?」
「その為に、これを渡されたんじゃないですか」
「これ?…あぁ、ここに来る時渡された笛かー」
そう、それです。
シュニィさんがを渡してくれた魔法道具。いざとなった時は、この笛で仲間との連絡を取るように、と。
こんな時こそ、この笛の出番。
そう思って、僕はポケットから笛を取り出した。
そして、次の瞬間に驚きのあまり、笛を持ったまま立ち尽くしてしまった。
「…?ナジュせんせー、どーしたの?」
「…すぐりさん。笛が」
「え?…えっ?」
僕が差し出した笛の有り様を見て、すぐりさんも目を見開いていた。
…冥界の『門』を潜る前、ついさっき、渡されたばかりのはずの笛が。
まるで、何十年、何百年と放置されていたかのように、黒く錆びついていた。