神殺しのクロノスタシス6
「うわっ、グロッ…!ホラー映画のクライマックスシーンか…!?」

これには、キュレムも思わずこう口走っていた。

ピラミッドの中でガイコツ軍団に襲われるなんて、どんなB級ホラー映画?

これが映画のワンシーンに見える辺り、キュレムはまだ結構余裕だな。

そして、キュレム以上に余裕ぶっこいてる二人組がここにいる。

「おぉ、すごーい。ガイコツが動いてるじゃん」

「本当だ。ミイラには会えなかったけど、ガイコツに会えたね」
 
喜ぶな。観光名物じゃないんだぞ。ガイコツは。

更に、こちらにも余裕ぶっかましてる奴が一人。

「彼らも不死身なんですかね。何だか親近感が湧きますね」

「な、ナジュ君…!ガイコツに親近感を覚えてる場合じゃないよ。に、逃げた方が良いよね…!?」

正しく恐怖を覚えているらしい天音が、ナジュにツッコミを入れていた。

元暗殺者組とナジュ、この場に置いていってやろうか。いや冗談だけども。

その心の余裕、俺とシルナにも分けてくれないだろうか。

「問答無用だ。とにかく、外に逃げるぞ!」

こんな時でも冷静なジュリスがそう叫び、俺達は一斉に走り出した。

ここに、俺達とガイコツ軍団の追いかけっこが始まった。

ついさっきも、ガーゴイルっぽい魔物に襲われて逃げ惑ってたのに。

今度はガイコツって。

…どんな悪夢だ?これは。
< 186 / 404 >

この作品をシェア

pagetop