神殺しのクロノスタシス6
第2章
マシュリside
――――――…ナツキ皇王が口を滑らせたという、「次の矢」が何なのか気になるところだが。
正直なところ、僕はもう…彼のことに関しては、あまり気にしていなかった。
今回の決闘の件で、それがよく分かった。
ナツキ皇王が何を企んでいたとしても、所詮彼の浅知恵では。
シルナ・エインリー学院長と、彼の作った盤石なルーデュニア聖王国には敵わない。
学院長は謙遜しているけれど…。僕はそう思う。
…いや、違うか。
ナツキ皇王の「次の矢」のこと以上に、他に心配していることがあるのだ。
それは…僕個人の理由。
先の決闘で、竜の姿を…決して許されない、罪の姿を白日の下に晒してしまった。
一度は竜族を撃退したけれど、彼らは罪人の僕を許さない。
いずれまた、冥界より現れるだろう。…僕の罪を罰する為に。
僕の命はどうなっても良い。僕が犯した罪なのだから、僕が咎められるのは当たり前たのだ。
ただそうなった時、学院長達の命まで危ぶまれるんじゃないか。
それが心配だった。…とても。
…もう二度と、僕は自分の罪のせいで、誰かの未来を奪いたくはない。傷つけたくはないのだ。
神竜族がいつ、また冥界から現れるか。
それは今日かもしれないし、明日かもしれない。
冥界の時間の流れは現世のものとは違うから、もしかしたら、もっと何年も先のことになるかもしれない。
でも、いずれ必ず「その日」は来る。罪の裁きが下される時が。
果てしてその時、僕はどうなるのだろう。
僕を仲間だと言ってくれたあの優しい人々を、守ることが出来るだろうか。
敢えて仲間達には何も言わず、気にしていない風を装ってはいるが。
僕はずっと、そのことが心配で堪らなかった。
正直なところ、僕はもう…彼のことに関しては、あまり気にしていなかった。
今回の決闘の件で、それがよく分かった。
ナツキ皇王が何を企んでいたとしても、所詮彼の浅知恵では。
シルナ・エインリー学院長と、彼の作った盤石なルーデュニア聖王国には敵わない。
学院長は謙遜しているけれど…。僕はそう思う。
…いや、違うか。
ナツキ皇王の「次の矢」のこと以上に、他に心配していることがあるのだ。
それは…僕個人の理由。
先の決闘で、竜の姿を…決して許されない、罪の姿を白日の下に晒してしまった。
一度は竜族を撃退したけれど、彼らは罪人の僕を許さない。
いずれまた、冥界より現れるだろう。…僕の罪を罰する為に。
僕の命はどうなっても良い。僕が犯した罪なのだから、僕が咎められるのは当たり前たのだ。
ただそうなった時、学院長達の命まで危ぶまれるんじゃないか。
それが心配だった。…とても。
…もう二度と、僕は自分の罪のせいで、誰かの未来を奪いたくはない。傷つけたくはないのだ。
神竜族がいつ、また冥界から現れるか。
それは今日かもしれないし、明日かもしれない。
冥界の時間の流れは現世のものとは違うから、もしかしたら、もっと何年も先のことになるかもしれない。
でも、いずれ必ず「その日」は来る。罪の裁きが下される時が。
果てしてその時、僕はどうなるのだろう。
僕を仲間だと言ってくれたあの優しい人々を、守ることが出来るだろうか。
敢えて仲間達には何も言わず、気にしていない風を装ってはいるが。
僕はずっと、そのことが心配で堪らなかった。