神殺しのクロノスタシス6
「…虫下しを使うとか、説得して思い出してもらう、とかじゃねーの?」
「無理です。心臓に巣食っている『ムシ』を取り出すしかありません」
原因は根本からばっさりと断つ。分かりやすいな。
まさか俺達、『ムシ』に侵された全員に心臓手術を行わなきゃならないのか?
シルナはともかく、俺は医学知識ないんだけど。
「おい、ベリクリーデ。お前俺の中にいた『ムシ』を追い払ったじゃないか。あの不思議な光で」
と、ジュリスがベリクリーデに言った。
そうだ。その方法がある。
「あれを全員に適用すれば、わざわざオペを行わなくても『ムシ』を追い出せるんじゃないか?」
「…ほぇー…」
…無理そう。
さてはベリクリーデ…。お前、無意識だったんだな…?
「あの時は、ジュリスに忘れられて悲しい、って思って…」
「…思って?」
「…うーん。分かんない」
やっぱり無意識だったらしい。
分かるよ。追い詰められた状況だからこそ、咄嗟に身体が動くことってあるもんな。
で、後になって同じことをやれと言われても、やり方が分かんなくなってるパターン。
気持ちは理解出来る。
「そうか…。じゃあ、やっぱり全員に心臓手術するしかないのか…」
…途方もない作業だな。
でも、それで皆が正気に戻ってくれるなら。
「…やるか、シルナ」
「うん、やろう」
シルナはようやく、薄っすらと微笑みを浮かべて頷いた。
ようやく、少し希望が見えてきた。
「無理です。心臓に巣食っている『ムシ』を取り出すしかありません」
原因は根本からばっさりと断つ。分かりやすいな。
まさか俺達、『ムシ』に侵された全員に心臓手術を行わなきゃならないのか?
シルナはともかく、俺は医学知識ないんだけど。
「おい、ベリクリーデ。お前俺の中にいた『ムシ』を追い払ったじゃないか。あの不思議な光で」
と、ジュリスがベリクリーデに言った。
そうだ。その方法がある。
「あれを全員に適用すれば、わざわざオペを行わなくても『ムシ』を追い出せるんじゃないか?」
「…ほぇー…」
…無理そう。
さてはベリクリーデ…。お前、無意識だったんだな…?
「あの時は、ジュリスに忘れられて悲しい、って思って…」
「…思って?」
「…うーん。分かんない」
やっぱり無意識だったらしい。
分かるよ。追い詰められた状況だからこそ、咄嗟に身体が動くことってあるもんな。
で、後になって同じことをやれと言われても、やり方が分かんなくなってるパターン。
気持ちは理解出来る。
「そうか…。じゃあ、やっぱり全員に心臓手術するしかないのか…」
…途方もない作業だな。
でも、それで皆が正気に戻ってくれるなら。
「…やるか、シルナ」
「うん、やろう」
シルナはようやく、薄っすらと微笑みを浮かべて頷いた。
ようやく、少し希望が見えてきた。