神殺しのクロノスタシス6
それなのに、令月もすぐりもケロッとして。
「何で?聖魔騎士団の隊舎なんて簡単に侵入出来るよ」
「そういう問題じゃない。もしこっそり潜り込んでるのがバレたら、袋の鼠なんだぞ」
お前らの連携の恐ろしさは知ってるが、さすがに聖魔騎士団魔導部隊大隊長達に囲まれたら、いくらお前達でも…。
…しかし。
「へぇー?俺等が捕まるようなミスをすると思ってる?」
「舐められたものだね。姿を隠した隠密行動なら、この場にいる誰にも負けないよ」
うっ…。そ、それは…。
その点は…確かに信用してるけども。
「僕が一緒に行くよ」
令月とすぐりに加えて、マシュリが偵察に立候補した。
マシュリまで…。
「猫の姿に『変化』すれば、仮に姿を見られたとしても誤魔化せる」
「マシュリ…」
「懐かしーね。前にもこの三人で偵察行ったよねー」
「そういえばそうだね」
…そんなことあったな。
思い出してイラッとしたが、だがあの時と違って、今回はちゃんと事前に宣言してから行こうとしている。
あの時に比べたら、進歩していると思うべきか。
安心は出来ないけどな。
「…良いか、絶対無事に戻ってこい。危ないと思ったらすぐ引き返すんだぞ」
「誰に言ってるのさ。よゆーだよ」
「じゃあ、行ってくる」
令月とすぐりは、窓の外に飛び出していった。
更に、いろりの姿に『変化』したマシュリも、二人の後を追った。
…窓から出るなよ。玄関じゃないんだぞ、そこは。
「あいつら…本当に大丈夫か…?」
「大丈夫だよ、羽久。令月君達なら」
シルナが、俺を安心させるようにそう言った。
更に、
「あれで責任感じてるんですよ。二人共」
と、ナジュ。
「責任?」
「羽久さん達のこと忘れて、むざむざ『ムシ』に操られて、危うく仲間を手に掛けるところだった、ってね」
二人の心を読んで、悟ったのだろう。
「そんなの…あいつらの責任じゃないだろ」
「そうですけど。でも、迷惑をかけてしまった分は、働きで取り戻したい。そういう人達ですから」
「…」
だから、危険な偵察任務に自ら立候補した…ってことか。
有り難いけど、そのせいでお前らが危険な目に遭うなら、本末転倒だ。
「…絶対無事に戻ってこいよ」
お前らの身に何かあったら、『ムシ』に洗脳されるよりずっと悪いんだからな。
「何で?聖魔騎士団の隊舎なんて簡単に侵入出来るよ」
「そういう問題じゃない。もしこっそり潜り込んでるのがバレたら、袋の鼠なんだぞ」
お前らの連携の恐ろしさは知ってるが、さすがに聖魔騎士団魔導部隊大隊長達に囲まれたら、いくらお前達でも…。
…しかし。
「へぇー?俺等が捕まるようなミスをすると思ってる?」
「舐められたものだね。姿を隠した隠密行動なら、この場にいる誰にも負けないよ」
うっ…。そ、それは…。
その点は…確かに信用してるけども。
「僕が一緒に行くよ」
令月とすぐりに加えて、マシュリが偵察に立候補した。
マシュリまで…。
「猫の姿に『変化』すれば、仮に姿を見られたとしても誤魔化せる」
「マシュリ…」
「懐かしーね。前にもこの三人で偵察行ったよねー」
「そういえばそうだね」
…そんなことあったな。
思い出してイラッとしたが、だがあの時と違って、今回はちゃんと事前に宣言してから行こうとしている。
あの時に比べたら、進歩していると思うべきか。
安心は出来ないけどな。
「…良いか、絶対無事に戻ってこい。危ないと思ったらすぐ引き返すんだぞ」
「誰に言ってるのさ。よゆーだよ」
「じゃあ、行ってくる」
令月とすぐりは、窓の外に飛び出していった。
更に、いろりの姿に『変化』したマシュリも、二人の後を追った。
…窓から出るなよ。玄関じゃないんだぞ、そこは。
「あいつら…本当に大丈夫か…?」
「大丈夫だよ、羽久。令月君達なら」
シルナが、俺を安心させるようにそう言った。
更に、
「あれで責任感じてるんですよ。二人共」
と、ナジュ。
「責任?」
「羽久さん達のこと忘れて、むざむざ『ムシ』に操られて、危うく仲間を手に掛けるところだった、ってね」
二人の心を読んで、悟ったのだろう。
「そんなの…あいつらの責任じゃないだろ」
「そうですけど。でも、迷惑をかけてしまった分は、働きで取り戻したい。そういう人達ですから」
「…」
だから、危険な偵察任務に自ら立候補した…ってことか。
有り難いけど、そのせいでお前らが危険な目に遭うなら、本末転倒だ。
「…絶対無事に戻ってこいよ」
お前らの身に何かあったら、『ムシ』に洗脳されるよりずっと悪いんだからな。