神殺しのクロノスタシス6
包み隠さず、全てを打ち明けた。
ナツキ様が突然、ルーデュニア聖王国に牙を剥き、あの忌まわしい世界魔導師保護条約なるものを打ち立てたのか。
フユリ様をミナミノ共和国に閉じ込め、サミットに参加させなかったのも。
ルーデュニア聖王国に決闘を挑んできたのも。
全ては、ナツキ様自身の意志…ではなく。
彼の傍らにいた二人の側近、ハクロとコクロに操られているから。
そして、そのハクロとコクロの正体は、聖神ルデスに仕える大天使…ミカエルとラファエルであるということも。
全てはナツキ様の私怨から始まった、と思っていたけど。
回り回って、実は俺達のせいだったんだな。
そう思うと、フユリ様や、何の罪もないルーデュニア聖王国の民に申し訳なかった。
「そうですか…。兄は自分の意志ではなく…天使に操られて…」
「…本当に申し訳ありませんでした、フユリ様」
シルナは深々と頭を下げ、一緒にいた俺も続いた。
謝っても謝りきれない、とはこのこと。
もういっそルーデュニア聖王国から出て行ってくれ、と言われても文句は言えない。
…それなのに。
「…何故、あなた方が謝るのです?」
「それは…だって…天使達は私に裁きを下す為に…ナツキ様を利用されたのであって…」
「兄が利用されたのは、兄の心の弱さ故です。兄の私への憎しみが、天使達に付け入る隙を与えたのでしょう」
「…フユリ様…」
この期に及んで、俺とシルナを責めないでいてくれるのか。
いっそ、思いっきり詰ってくれた方が楽だったかもな。
余計に申し訳なくなってくる。
「起きてしまったことを悔いるより、これからどうするべきかを一緒に考えましょう。シルナ学院長」
「…ありがとうございます、フユリ様」
「良いのです。このルーデュニア聖王国は、他ならぬあなたに何度も救われてきました。今回も、きっとそうであることを願います」
…そうだな。
これまで何度も、俺とシルナのせいで危機を迎え。
その度に、俺とシルナと…仲間達の力を合わせて解決してきた。
だから、今回もそうしよう。
フユリ様の言う通りだ。
「…何はともあれ、まずは、元凶である大天使…ミカエルとラファエルを、ナツキ様から引き離さなければなりません」
と、シルナが言った。
ナツキ様を、天使の支配から解放する。
そうすれば、ルーデュニア聖王国から手を引いてくれる…はずだ。
と言うか、そうしなければ、何度芽を潰しても潰しても。
手を変え品を変え、ナツキ様は延々とルーデュニア聖王国にちょっかいをかけてくることだろう。
ここを解決しない限り、この国の安全は望めない。
ナツキ様が突然、ルーデュニア聖王国に牙を剥き、あの忌まわしい世界魔導師保護条約なるものを打ち立てたのか。
フユリ様をミナミノ共和国に閉じ込め、サミットに参加させなかったのも。
ルーデュニア聖王国に決闘を挑んできたのも。
全ては、ナツキ様自身の意志…ではなく。
彼の傍らにいた二人の側近、ハクロとコクロに操られているから。
そして、そのハクロとコクロの正体は、聖神ルデスに仕える大天使…ミカエルとラファエルであるということも。
全てはナツキ様の私怨から始まった、と思っていたけど。
回り回って、実は俺達のせいだったんだな。
そう思うと、フユリ様や、何の罪もないルーデュニア聖王国の民に申し訳なかった。
「そうですか…。兄は自分の意志ではなく…天使に操られて…」
「…本当に申し訳ありませんでした、フユリ様」
シルナは深々と頭を下げ、一緒にいた俺も続いた。
謝っても謝りきれない、とはこのこと。
もういっそルーデュニア聖王国から出て行ってくれ、と言われても文句は言えない。
…それなのに。
「…何故、あなた方が謝るのです?」
「それは…だって…天使達は私に裁きを下す為に…ナツキ様を利用されたのであって…」
「兄が利用されたのは、兄の心の弱さ故です。兄の私への憎しみが、天使達に付け入る隙を与えたのでしょう」
「…フユリ様…」
この期に及んで、俺とシルナを責めないでいてくれるのか。
いっそ、思いっきり詰ってくれた方が楽だったかもな。
余計に申し訳なくなってくる。
「起きてしまったことを悔いるより、これからどうするべきかを一緒に考えましょう。シルナ学院長」
「…ありがとうございます、フユリ様」
「良いのです。このルーデュニア聖王国は、他ならぬあなたに何度も救われてきました。今回も、きっとそうであることを願います」
…そうだな。
これまで何度も、俺とシルナのせいで危機を迎え。
その度に、俺とシルナと…仲間達の力を合わせて解決してきた。
だから、今回もそうしよう。
フユリ様の言う通りだ。
「…何はともあれ、まずは、元凶である大天使…ミカエルとラファエルを、ナツキ様から引き離さなければなりません」
と、シルナが言った。
ナツキ様を、天使の支配から解放する。
そうすれば、ルーデュニア聖王国から手を引いてくれる…はずだ。
と言うか、そうしなければ、何度芽を潰しても潰しても。
手を変え品を変え、ナツキ様は延々とルーデュニア聖王国にちょっかいをかけてくることだろう。
ここを解決しない限り、この国の安全は望めない。