神殺しのクロノスタシス6
そして。
この中で一番、まだシルナとの信頼関係が薄いはずのリューイもまた。
すぐに、シルナが演技をしていることに気づいてくれた。
「…勝負ありましたね」
「…!サリエル、あなた…!」
「私のラッパを…!」
リューイが鎌を振り下ろしたにも関わらず、ハクロとコクロは無傷だった。
だが、それで充分だった。
それは、リューイの攻撃が、ハクロとコクロを傷つける為のものじゃなかったから。
リューイの目的は、ただ一つ。
ハクロとコクロ…大天使ミカエルが持つ、"第一ラッパ"をを奪うこと。
そして、その目的は見事に達した。
リューイの手には、ミカエルから奪い取った"第一ラッパ"が握られていた。
あれが…大天使のラッパ。
天使のラッパというくらいだから、きっと荘厳な装飾を施された、立派なトランペットみたいな楽器なのだろうと予想していたのに。
実際は、全然そんなことなかった。
小さくて、簡素な作りで…。まるで、子供の玩具のようだ。
あんなものが、大天使の武器…。
…リューイの鎌の方が、よっぽど強くて価値があるように見えるが…。
ハクロとコクロがあんなに青ざめているのだから、きっと途轍もなく大切なものなんだろう。
…悪いな。
でも、俺達だって、果たさなければならない使命がある。
「…」
リューイはそのラッパを見つめ、何か堪えきれない思いを噛み殺し。
そして、意を決したように、ラッパの吹口に口をつけた。
この中で一番、まだシルナとの信頼関係が薄いはずのリューイもまた。
すぐに、シルナが演技をしていることに気づいてくれた。
「…勝負ありましたね」
「…!サリエル、あなた…!」
「私のラッパを…!」
リューイが鎌を振り下ろしたにも関わらず、ハクロとコクロは無傷だった。
だが、それで充分だった。
それは、リューイの攻撃が、ハクロとコクロを傷つける為のものじゃなかったから。
リューイの目的は、ただ一つ。
ハクロとコクロ…大天使ミカエルが持つ、"第一ラッパ"をを奪うこと。
そして、その目的は見事に達した。
リューイの手には、ミカエルから奪い取った"第一ラッパ"が握られていた。
あれが…大天使のラッパ。
天使のラッパというくらいだから、きっと荘厳な装飾を施された、立派なトランペットみたいな楽器なのだろうと予想していたのに。
実際は、全然そんなことなかった。
小さくて、簡素な作りで…。まるで、子供の玩具のようだ。
あんなものが、大天使の武器…。
…リューイの鎌の方が、よっぽど強くて価値があるように見えるが…。
ハクロとコクロがあんなに青ざめているのだから、きっと途轍もなく大切なものなんだろう。
…悪いな。
でも、俺達だって、果たさなければならない使命がある。
「…」
リューイはそのラッパを見つめ、何か堪えきれない思いを噛み殺し。
そして、意を決したように、ラッパの吹口に口をつけた。