神殺しのクロノスタシス6
アーリヤット皇国の皇宮で会ったきりだな。
「チョコ…フォンデュですか。ふむ…。成程、様々な具材に溶かしたチョコレートをつけながら食べる料理…」
リューイは、何もない空間から取り出した本を開き、ペラペラと捲っていた。
その本って、そんなこと書いてあんの?
広辞苑かよ。
「マシュマロやフルーツをつけて食べるのが一般的…。ですが、聖賢者殿が食べているのは…」
「チョコにつけたチョコ美味し〜!」
満面笑みで、チョコがけチョコを頬張るシルナ。
…何だろう。何故か俺がすげー恥ずかしい。
「…チョコレートにチョコレートをつけるとは…。聖賢者殿は上級者ですね」
「…ただチョコ狂いなだけだよ…」
「お土産にと思って、ルーデュニア聖王国王室御用達洋菓子店のショコラ・ケーキを持参したのですが、どうやら必要なかったよ、」
「えっ、ショコラ・ケーキ!?」
普段はお耳が遠い癖に、チョコに関することだけは、超地獄耳。
さっきまで、うきうきでフォンデュ食ってたのに、ショコラケーキに飛びついてきた。
「はい。どうですか」
「喜んでいただきます!ありがとうリューイ君!」
「それは良かったです」
チョコフォンデュも食って、ショコラ・ケーキも食べるのか。
一体どんだけ食うんだ…。食い過ぎだろ、チョコ。
「やったー!羽久、見て見て。リューイ君にケーキもらった。羽久も一緒に食べよー」
「はいはい…。良かったな…」
全く…。リューイまでシルナに甘く、しかも餌付けする奴が増えたら、ますますシルナのチョコ狂いが加速し、
…ん?
その時、俺はとんでもないことに気がついた。
「…リューイ…?」
「…?どうかしましたか、時魔導師殿」
「…お前、何でここにいんのっ!?」
物凄くナチュラルに会話に参加してきたものだから、俺も全然何の気なしに喋ってたけど。
何なら、シルナまでショコラ・ケーキの誘惑に気を取られて、いつの間にかリューイが来ていることに気づいてない。
「わーい。ショコラ・ケーキ〜♪」
今に至っても、シルナはリューイの存在に気づいていない。
駄目だ。あいつの頭の中は今、チョコレートでいっぱい。
「…今気づいたのですか?」
「あぁ…。今気づいた」
恥ずかしいことに。
「大丈夫ですよ。別に大した用事ではありませんから」
「大した用事じゃないって…。じゃあ、どんな用事なんだ?」
「あの後、智天使様と共に天界に帰って、熾天使様と座天使様のお二人と話し合いを行いましたので、その結果をお話ししに来ました」
…何が、「大した用事じゃない」って?
めちゃくちゃ重要なことじゃないかよ。
…それはともすれば、これからの俺達の行く末を左右するような。
END
「チョコ…フォンデュですか。ふむ…。成程、様々な具材に溶かしたチョコレートをつけながら食べる料理…」
リューイは、何もない空間から取り出した本を開き、ペラペラと捲っていた。
その本って、そんなこと書いてあんの?
広辞苑かよ。
「マシュマロやフルーツをつけて食べるのが一般的…。ですが、聖賢者殿が食べているのは…」
「チョコにつけたチョコ美味し〜!」
満面笑みで、チョコがけチョコを頬張るシルナ。
…何だろう。何故か俺がすげー恥ずかしい。
「…チョコレートにチョコレートをつけるとは…。聖賢者殿は上級者ですね」
「…ただチョコ狂いなだけだよ…」
「お土産にと思って、ルーデュニア聖王国王室御用達洋菓子店のショコラ・ケーキを持参したのですが、どうやら必要なかったよ、」
「えっ、ショコラ・ケーキ!?」
普段はお耳が遠い癖に、チョコに関することだけは、超地獄耳。
さっきまで、うきうきでフォンデュ食ってたのに、ショコラケーキに飛びついてきた。
「はい。どうですか」
「喜んでいただきます!ありがとうリューイ君!」
「それは良かったです」
チョコフォンデュも食って、ショコラ・ケーキも食べるのか。
一体どんだけ食うんだ…。食い過ぎだろ、チョコ。
「やったー!羽久、見て見て。リューイ君にケーキもらった。羽久も一緒に食べよー」
「はいはい…。良かったな…」
全く…。リューイまでシルナに甘く、しかも餌付けする奴が増えたら、ますますシルナのチョコ狂いが加速し、
…ん?
その時、俺はとんでもないことに気がついた。
「…リューイ…?」
「…?どうかしましたか、時魔導師殿」
「…お前、何でここにいんのっ!?」
物凄くナチュラルに会話に参加してきたものだから、俺も全然何の気なしに喋ってたけど。
何なら、シルナまでショコラ・ケーキの誘惑に気を取られて、いつの間にかリューイが来ていることに気づいてない。
「わーい。ショコラ・ケーキ〜♪」
今に至っても、シルナはリューイの存在に気づいていない。
駄目だ。あいつの頭の中は今、チョコレートでいっぱい。
「…今気づいたのですか?」
「あぁ…。今気づいた」
恥ずかしいことに。
「大丈夫ですよ。別に大した用事ではありませんから」
「大した用事じゃないって…。じゃあ、どんな用事なんだ?」
「あの後、智天使様と共に天界に帰って、熾天使様と座天使様のお二人と話し合いを行いましたので、その結果をお話ししに来ました」
…何が、「大した用事じゃない」って?
めちゃくちゃ重要なことじゃないかよ。
…それはともすれば、これからの俺達の行く末を左右するような。
END