神殺しのクロノスタシス6
色々と勘違いしまくってるベリクリーデの為に。

懇切丁寧に、おせち料理とは何たるかを説明すること、およそ一時間。

頑張って説明したんだけど、ベリクリーデは分かってるのかいないのか。

ぽやーんと首を傾げていたので、多分分かってない。

…俺は考えた。

このままベリクリーデを解放しても良いものか。

いまいちおせち料理について理解してないベリクリーデを、このまま放置したら。

ベリクリーデはまたしても、田作りと称して田んぼを作り始めたり。

数の子やこんぶを取りに行くと行って、全国のカズさんとコンブさんを襲撃しかねない。

となると、俺に出来ることは一つしかなかった。

結局こうなる定めなんだなって。はぁ。

「…ちょっと待ってろ、ベリクリーデ」

「ふぇ?」

「俺が、本物のおせち料理ってものを教えてやる」

「ほんと?やったー」

両手を挙げて喜ぶベリクリーデである。

そこで俺は、仕事を放り出して、急いで食料品店に買い出しに向かった。

…これ、経費で落としても許されるよな?
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