神殺しのクロノスタシス6
しかし、ベリクリーデは。

「…」

さっきまであんなにテンションが高かったのに、一気に静かになってしまった。

ど、どうした?

「これ、食べるの勿体ない…。一生、大事に部屋に飾っておきたい」

「…腐るから早く食え」

がーん!みたいな顔しない。

取っておかれても困るから。はよ食べろ。

「でも、一人じゃ食べ切れないよ。ジュリスも一緒に」

「いや、俺は良いから…。一気に全部食べる必要はないんだよ。何日かに分けて、ゆっくり…」

「やだ。ジュリスと一緒じゃないとやだ」

何?その我が儘。

ママと一緒じゃなきゃお風呂に入りたくない駄々っ子かよ。

「…ジュリスと一緒が良いんだもん…」

「…分かったよ」

折れる。俺が折れるよ。

一緒に食べれば良いんだろ?

そう答えると、ベリクリーデはぱぁっと顔を明るくした。

一緒に食べる、って言っただけでこれだよ。

どういう思考回路してるんだ?

「どうせなら、隊舎に残ってる宿直の聖魔騎士達も呼んで、皆で一緒に食べようか。たくさんあるし」

「うん。ジュリスも一緒なら良いよー」

まぁ、ちょっとした差し入れということで。

皆で楽しんでもらえたら、俺も苦労して作った甲斐があるってもんだよ。
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