神殺しのクロノスタシス6
その後、夜が明けるのを待って。
俺達は、聖魔騎士団に連絡を入れた。
連絡を受けた聖魔騎士団魔導部隊の面々は、すぐさまイーニシュフェルト魔導学院にすっ飛んできた。
やって来たのは、シュニィとアトラス、エリュティア、それから無闇の四人だった。
「学院長先生…!本当なのですか。マシュリさんが…!」
シュニィは血相を変えて、シルナに掴み掛からんばかりに尋ねた。
「…」
シルナは無言で、沈鬱な表情で俯いた。
シルナ以外の面々も、似たような表情だ。
その表情が、全てを物語っていた。
「…そんな…」
突然の悲報に、シュニィも俺と同じように、身体から力が抜けたらしい。
その場に崩れ落ちそうになるのを、彼女の夫であるアトラスが支えてあげていた。
「嘘です…。マシュリさんが、そんな…」
「…」
嘘だと言ってあげられたら、どんなに良かっただろう。
シュニィとマシュリは、俺達以上に親交が深かった。
元々は、ナツキ皇王の命令を受けたマシュリが、シュニィを拉致、監禁したことがきっかけだったのだが…。
その時、マシュリはシュニィに説得され、改心したという経緯がある。
マシュリが学院で暮らすようになってからも、時折、シュニィに招かれてルシェリート宅を訪れていた。
特に、シュニィとアトラスの愛娘、アイナに気に入られたらしく。
マシュリの特別な能力、『変化』を見せてもらっては、大喜びしていたとか。
『変化』を見て怖がるのではなく、嬉々として喜んでいるあたり、さすがアトラスの子といったところか。
シュニィにとってマシュリは、ただの知り合い以上の関係だった。
そんなマシュリが…変わり果てた姿になって、心を揺り動かされないはずがない。
だからこそ、連絡を受けてすぐ、自らが学院に足を運んだのだ。
何かの間違いであって欲しい、と願いながら。
…分かるよ。その気持ちは。
俺だって同じだったから。
だけど…どれほど夢であって欲しい、間違いであって欲しいと願っても。
現実は変えられない。残酷な現実は。
「…遺体を見せてもらうことは出来るか?」
無闇が、遠慮がちにそう頼んできた。
エリュティアと無闇は、泣き崩れることはなかったが、こちらの二人も沈鬱な表情だった。
「勿論だ。…空き教室にいる。ついてきてくれ」
俺は聖魔騎士団から来た四人を連れて、マシュリのもとに連れて行った。
シュニィは見ない方が良いかもしれないと思ったが、シュニィは断固として、自分もこの目で見なければならないと言い張った。
…分かった。
せめて、最後のお別れくらいはしてやってくれ。
マシュリも多分…シュニィに会いたかっただろうから。
「…ここだ」
「…!マシュリさん…」
シュニィは、マシュリの傍に駆け寄った。
跪いて、マシュリの手を取って涙を流した。
「どうして。マシュリさん…目を開けてください。どうしてっ…こんな、こんなところで…!」
激しく泣きじゃくり、嗚咽を漏らすシュニィの肩を、アトラスは無言で抱き締めた。
…アトラスが来てくれてて良かったな。
泣きじゃくるシュニィを見ていると、こっちまで貰い泣きしてしまいそうになる。
俺達は、聖魔騎士団に連絡を入れた。
連絡を受けた聖魔騎士団魔導部隊の面々は、すぐさまイーニシュフェルト魔導学院にすっ飛んできた。
やって来たのは、シュニィとアトラス、エリュティア、それから無闇の四人だった。
「学院長先生…!本当なのですか。マシュリさんが…!」
シュニィは血相を変えて、シルナに掴み掛からんばかりに尋ねた。
「…」
シルナは無言で、沈鬱な表情で俯いた。
シルナ以外の面々も、似たような表情だ。
その表情が、全てを物語っていた。
「…そんな…」
突然の悲報に、シュニィも俺と同じように、身体から力が抜けたらしい。
その場に崩れ落ちそうになるのを、彼女の夫であるアトラスが支えてあげていた。
「嘘です…。マシュリさんが、そんな…」
「…」
嘘だと言ってあげられたら、どんなに良かっただろう。
シュニィとマシュリは、俺達以上に親交が深かった。
元々は、ナツキ皇王の命令を受けたマシュリが、シュニィを拉致、監禁したことがきっかけだったのだが…。
その時、マシュリはシュニィに説得され、改心したという経緯がある。
マシュリが学院で暮らすようになってからも、時折、シュニィに招かれてルシェリート宅を訪れていた。
特に、シュニィとアトラスの愛娘、アイナに気に入られたらしく。
マシュリの特別な能力、『変化』を見せてもらっては、大喜びしていたとか。
『変化』を見て怖がるのではなく、嬉々として喜んでいるあたり、さすがアトラスの子といったところか。
シュニィにとってマシュリは、ただの知り合い以上の関係だった。
そんなマシュリが…変わり果てた姿になって、心を揺り動かされないはずがない。
だからこそ、連絡を受けてすぐ、自らが学院に足を運んだのだ。
何かの間違いであって欲しい、と願いながら。
…分かるよ。その気持ちは。
俺だって同じだったから。
だけど…どれほど夢であって欲しい、間違いであって欲しいと願っても。
現実は変えられない。残酷な現実は。
「…遺体を見せてもらうことは出来るか?」
無闇が、遠慮がちにそう頼んできた。
エリュティアと無闇は、泣き崩れることはなかったが、こちらの二人も沈鬱な表情だった。
「勿論だ。…空き教室にいる。ついてきてくれ」
俺は聖魔騎士団から来た四人を連れて、マシュリのもとに連れて行った。
シュニィは見ない方が良いかもしれないと思ったが、シュニィは断固として、自分もこの目で見なければならないと言い張った。
…分かった。
せめて、最後のお別れくらいはしてやってくれ。
マシュリも多分…シュニィに会いたかっただろうから。
「…ここだ」
「…!マシュリさん…」
シュニィは、マシュリの傍に駆け寄った。
跪いて、マシュリの手を取って涙を流した。
「どうして。マシュリさん…目を開けてください。どうしてっ…こんな、こんなところで…!」
激しく泣きじゃくり、嗚咽を漏らすシュニィの肩を、アトラスは無言で抱き締めた。
…アトラスが来てくれてて良かったな。
泣きじゃくるシュニィを見ていると、こっちまで貰い泣きしてしまいそうになる。