神殺しのクロノスタシス6
…リリスとの会話を終えて、精神世界から現実世界に戻ると。
「…ん…」
「あっ…。ナジュ君…」
「…ん?」
目を開けると、そこには天音さんが座って、僕の顔を覗き込んでいた。
「…おはようございます」
「おはよう、ナジュ君。…って言っても、今は夜中だけど…」
僕が自分の部屋に逃げ帰ってきてから、もう半日以上経っていたのか。
精神世界の時間の流れは、現実世界のそれとは異なっているから、仕方ない。
長話でしたしね。リリスの話。
好きな女の子とのおしゃべりは、ついつい時間が経つのを忘れてしまう。そういうものです。
「待ってたんですか?…ずっと。僕が起きるの…」
「うん。ナジュ君、様子が変だったし…。今は一人にならない方が良いと思って」
それで、精神世界の中に旅立っている僕の傍らで、ずっと戻ってくるのを待ってた訳ですか。
どうせ僕は不死身なのだから、放っておいたとしてもどうってことないと思うんだが…。
お人好しの天音さんにそんなこと言っても、絶対出て行ったりはしないと思うけど。
「…ナジュ君、今、どうせ自分は死なないんだから一人でいても構わないのに、とか思ってる?」
ぎくっ。
「天音さん、あなた…。いつの間に読心魔法を…?」
僕の真似ですか。それは聞き捨てなりませんね。
読心魔法は僕の専売特許であって、例え天音さん相手でも譲ることは出来ませんよ。
「読心魔法なんて使えなくても分かるよ…。僕はナジュ君の友達だからね」
「そうですか…」
「確かに、犯人…冥界の神竜族は…マシュリさんを粛清するという目的を果たしたけど…」
「…」
「マシュリさんだけじゃない。マシュリさんを庇った僕達も粛清の対象になるかもしれない。いつ、また襲撃があるか分からない…。用心はしておくべきだよ」
と、天音さん。
…神竜バハムート。に、よる粛清…。
…そう。天音さん達は、そう思っているんですね。
「しばらくの間、聖魔騎士団からも応援を呼んで、襲撃に備えるようにするって学院長先生が…」
「…そういう話し合いをしたんですか?僕が精神世界に意識を飛ばしてる間に?」
「うん…。エリュティアさんが探索魔法で調べてくれて。探索魔法で辿れる『痕跡』は何もなかったから、犯人は冥界の魔物で間違いないだろうって」
…。
…まぁ、普通に考えたらそうなりますよね。
「それで…その…。マシュリさんの…お葬式とか、何処に埋葬するかとか…。日を改めて、また話し合おうって…」
「…ちょっと待った」
「え?」
お葬式?埋葬?…困りますね。早まったことをされては。
「まだ埋葬は早いですよ」
「え…。いや、でも…。…うん、気持ちは分かるよ。まだお別れしたくないもんね…」
いや、そういう意味じゃなくて。
確かにお別れもしたくないですけどね。
「だけど…ちゃんと眠らせてあげないと可哀想だよ。マシュリさんをあの世に送って…」
「困るんですよ。マシュリさんが生き返って戻ってきた時、肉体が火葬されてたら魂の戻る場所がなくなるでしょう?」
「…えっ?」
これには、天音さんもぽかんだった。
…まぁ、無理もない。
「…ん…」
「あっ…。ナジュ君…」
「…ん?」
目を開けると、そこには天音さんが座って、僕の顔を覗き込んでいた。
「…おはようございます」
「おはよう、ナジュ君。…って言っても、今は夜中だけど…」
僕が自分の部屋に逃げ帰ってきてから、もう半日以上経っていたのか。
精神世界の時間の流れは、現実世界のそれとは異なっているから、仕方ない。
長話でしたしね。リリスの話。
好きな女の子とのおしゃべりは、ついつい時間が経つのを忘れてしまう。そういうものです。
「待ってたんですか?…ずっと。僕が起きるの…」
「うん。ナジュ君、様子が変だったし…。今は一人にならない方が良いと思って」
それで、精神世界の中に旅立っている僕の傍らで、ずっと戻ってくるのを待ってた訳ですか。
どうせ僕は不死身なのだから、放っておいたとしてもどうってことないと思うんだが…。
お人好しの天音さんにそんなこと言っても、絶対出て行ったりはしないと思うけど。
「…ナジュ君、今、どうせ自分は死なないんだから一人でいても構わないのに、とか思ってる?」
ぎくっ。
「天音さん、あなた…。いつの間に読心魔法を…?」
僕の真似ですか。それは聞き捨てなりませんね。
読心魔法は僕の専売特許であって、例え天音さん相手でも譲ることは出来ませんよ。
「読心魔法なんて使えなくても分かるよ…。僕はナジュ君の友達だからね」
「そうですか…」
「確かに、犯人…冥界の神竜族は…マシュリさんを粛清するという目的を果たしたけど…」
「…」
「マシュリさんだけじゃない。マシュリさんを庇った僕達も粛清の対象になるかもしれない。いつ、また襲撃があるか分からない…。用心はしておくべきだよ」
と、天音さん。
…神竜バハムート。に、よる粛清…。
…そう。天音さん達は、そう思っているんですね。
「しばらくの間、聖魔騎士団からも応援を呼んで、襲撃に備えるようにするって学院長先生が…」
「…そういう話し合いをしたんですか?僕が精神世界に意識を飛ばしてる間に?」
「うん…。エリュティアさんが探索魔法で調べてくれて。探索魔法で辿れる『痕跡』は何もなかったから、犯人は冥界の魔物で間違いないだろうって」
…。
…まぁ、普通に考えたらそうなりますよね。
「それで…その…。マシュリさんの…お葬式とか、何処に埋葬するかとか…。日を改めて、また話し合おうって…」
「…ちょっと待った」
「え?」
お葬式?埋葬?…困りますね。早まったことをされては。
「まだ埋葬は早いですよ」
「え…。いや、でも…。…うん、気持ちは分かるよ。まだお別れしたくないもんね…」
いや、そういう意味じゃなくて。
確かにお別れもしたくないですけどね。
「だけど…ちゃんと眠らせてあげないと可哀想だよ。マシュリさんをあの世に送って…」
「困るんですよ。マシュリさんが生き返って戻ってきた時、肉体が火葬されてたら魂の戻る場所がなくなるでしょう?」
「…えっ?」
これには、天音さんもぽかんだった。
…まぁ、無理もない。