神殺しのクロノスタシス6
危ないところだった。

こんな深夜に誰か訪ねてくるなんて思わなかったから。

この声は…。

「あの…失礼します」

「あれっ…。天音君?」

ナジュの傍についていたはずの天音が、学院長に顔を覗かせた。

「あぁ、良かった…。まだ起きてて…」

「どうしたんだ?こんな時間に…」

「それが…その、ナジュ君がさっき…変なことを…」

…変なこと?

あいつは…大体変なことばっか言ってるだろ。

本人が聞いたら怒りそうだけど。

「すぐに皆を集めて欲しいそうです。学院長先生、良いですか?」

「えっ…。い、良いけど…。どうしたの?」

「それが…僕にもよく分からなくて…」

「…」

「ただ、その…マシュリさんのこと、諦めるのはまだ早いって…」

…何だと?

俺とシルナは、互いに目を見合わせた。

諦めるのはまだ早い…。…それはどういう意味だ?

…って、それは天音にも分からないんだっけ。

とにかく、ナジュ本人に聞いてみなければ。
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