神殺しのクロノスタシス6
…初めて見る魔法道具だ。
「シュニィ。これは…?」
小さな…何の変哲もない、ただの笛のように見えるが。
「魔力を込めた笛です。この笛を持つ者同士なら、どんなに離れていても笛の音が聞こえます」
ほう。それは優れもの。
簡易携帯電話みたいなものだな。
「笛の音の強弱で、お互いのおおまかな距離も分かります。あらかじめ符牒を決めておきましょう」
「符牒?」
「はい。笛を1回吹いたら異常なし、2回吹いたら敵と交戦中、3回で緊急事態。というように」
成程。それで簡単な意志疎通が図れる訳だな。
「じゃあ、竜の祠を見つけたら4回ってことで」
こうして符牒を決めておけば、もし誰かがはぐれたとしても、探しに行けるな。
迷子対策。
「とはいえ、この魔法道具は現世のものなので…。冥界で使用出来るかどうかは…」
「こればかりは、行ってみないと分からないからな…」
あくまで、魔法道具は補助アイテム。
結局は、自分の頭で考え、自分の足で動くしかない訳だ。
良く言えば臨機応変、悪く行けば行き当たりばったり、みたいな…。
…この遠征、本当に大丈夫か?
不安になってくるから、考えないことにしよう。
何とかなるの精神で行こう。
「これだけは約束してください。もし冥界で危険を感じたら、他のペアを待たず、すぐ戻ってきてください。皆さんの身の安全が最優先ですから」
シュニィは真剣な表情で、遠征メンバー全員に向かって言った。
「最悪、目的を果たせなかったとしても…。全員揃って、無事に帰ってきてください。それ以上大切なことはありません」
きっぱりと、シュニィは言ってのけた。
家に帰るまでが遠足、ってことだな。
物騒な「遠足」なのだから。なおさら。
俺は改めて、自分以外の遠征メンバーを見渡した。
…絶対また、皆揃って帰ってこよう。
今度は、生き返ったマシュリも一緒にな。
「シュニィ。これは…?」
小さな…何の変哲もない、ただの笛のように見えるが。
「魔力を込めた笛です。この笛を持つ者同士なら、どんなに離れていても笛の音が聞こえます」
ほう。それは優れもの。
簡易携帯電話みたいなものだな。
「笛の音の強弱で、お互いのおおまかな距離も分かります。あらかじめ符牒を決めておきましょう」
「符牒?」
「はい。笛を1回吹いたら異常なし、2回吹いたら敵と交戦中、3回で緊急事態。というように」
成程。それで簡単な意志疎通が図れる訳だな。
「じゃあ、竜の祠を見つけたら4回ってことで」
こうして符牒を決めておけば、もし誰かがはぐれたとしても、探しに行けるな。
迷子対策。
「とはいえ、この魔法道具は現世のものなので…。冥界で使用出来るかどうかは…」
「こればかりは、行ってみないと分からないからな…」
あくまで、魔法道具は補助アイテム。
結局は、自分の頭で考え、自分の足で動くしかない訳だ。
良く言えば臨機応変、悪く行けば行き当たりばったり、みたいな…。
…この遠征、本当に大丈夫か?
不安になってくるから、考えないことにしよう。
何とかなるの精神で行こう。
「これだけは約束してください。もし冥界で危険を感じたら、他のペアを待たず、すぐ戻ってきてください。皆さんの身の安全が最優先ですから」
シュニィは真剣な表情で、遠征メンバー全員に向かって言った。
「最悪、目的を果たせなかったとしても…。全員揃って、無事に帰ってきてください。それ以上大切なことはありません」
きっぱりと、シュニィは言ってのけた。
家に帰るまでが遠足、ってことだな。
物騒な「遠足」なのだから。なおさら。
俺は改めて、自分以外の遠征メンバーを見渡した。
…絶対また、皆揃って帰ってこよう。
今度は、生き返ったマシュリも一緒にな。